俳句はたった17文字の世界です。
誰かを想う気持ち・好きな気持ち・心に秘めた想い。17文字だけで表現することはとても難しいことではないでしょうか。しかし17文字しかないからこそ、想いが深くなるかもしれませんね。
今回は、『恋』をテーマに詠まれた高校生向け俳句を20句ご紹介します。
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— natsuno's haiku (@natsuno358) July 16, 2017
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高校生向け!恋をテーマに詠まれた俳句【前半10句】
【NO.1】
『 同じ月 見ている君に LINEして 』
季語:月(秋)
今、作者と「君」は別々の場所にいるのでしょう。違う場所にいるけれど空はつながっている、ということを改めて感じる一句です。「LINE」という言葉がまさに今の時代であり、とても良いインパクトになっているように感じます。
【NO.2】
『 夏休み 終わり会えるの 楽しみだ 』
季語:夏休み(夏)
夏休み中は大好きな人に会えなかったのでしょう。「会えるのが 楽しみだ」というシンプルな言葉に作者の嬉しい気持ちがたくさん込められているように思います。笑顔いっぱいで幸せそうな姿が想像できます。
【NO.3】
『 恋らしき ものも芽生えし 夏期講座 』
季語:夏期(夏)
夏休み中、夏期講座に参加している作者。いつもとは違う環境やメンバーと勉強をしている中で、好きになった人がいるのかもしれませんね。「恋らしきもの」という言葉ですこしぼやかしているような感じが初々しくて良いですね。
【NO.4】
『 ドンッと咲き パッと散ったよ 恋花火 』
季語:花火(夏)
「ドンッ」「パッ」ととてもユーモアのある表現で自分自身の恋の様子を詠んでいます。好きになった瞬間から失恋までがあっという間だったのでしょうか。とても切ないですが、明るい気持ちで表現しているのが良いですね。
【NO.5】
『 好きですと 思いがけずに 冬紅葉 』
季語:冬紅葉(冬)
「冬紅葉」とは、周辺が枯れを深め紅葉し尽くしたあとに冬になってから美しく色が際立つ紅葉のことをいいます。大好きな人への告白。本当は今日言うはずではなかったのだけど思わず想いを伝えてしまうほどの良いタイミングがあったのかもしれませんね。とても素敵な一句です。
【NO.6】
『 好きだよと 言えずに別れた 卒業式 』
季語:卒業式(春)
ずっとずっと好きだった人へ想いを伝えることができなかった作者。同級生で一緒に卒業するのか、先輩で先に卒業してしまうのか。どちらの状況にしても、想いを伝えたかったけれど伝えられなかった作者の気持ちを考えるととても切ない気持ちになりますね。
【NO.7】
『 夕立で 肩が濡れる 傘ひとつ 』
季語:夕立(夏)
突然の激しい雨。傘は一つだけ。もうそれだけで映画のワンシーンのような素敵な光景が目に浮かびます。「肩が濡れる」という言葉から、作者は相手が濡れないように傘を傾けてあげている様子が想像できます。優しさがあふれている素敵な一句です。
【NO.8】
『 あなたとの 距離が近づく 冬が好き 』
季語:冬(冬)
「距離が近づく」という言葉がとても素敵で良いですね。「あなた」との距離が少しずつ近づいていく作者がとてもドキドキしている姿が目に浮かびます。「あなた」のことが大好きな作者の想いが伝わります。
【NO.9】
『 夏休み あなたに会えず へこんでる 』
季語:夏休み(夏)
「へこんでる」というとてもシンプルな言葉で、「あなた」に会えない悲しさ・寂しさを上手に表現しています。夏休み中に大好きな人に全く会うことができない作者の想いがとても伝わります。
【NO.10】
『 初恋の 進路違いや 卒業式 』
季語:卒業式(春)
作者の初恋の人、大好きな人と進む道が違う状況になってしまったのでしょう。作者はもしかしたらまだ相手への想いを伝えていないのかもしれませんね。卒業式を迎え、別れてしまったらそこで終わりになってしまう。作者の想いを考えると心が痛くなります。
高校生向け!恋をテーマに詠まれた俳句【後半10句】
【NO.11】
『 大好きな 君にみとれる 夏期講座 』
季語:夏期講座(夏)
夏休み中の夏期講座は大変で苦しいことばかりではないようですね。作者は大好きな人と一緒に講座を受けているのでしょう。「君にみとれる」という表現がとても素敵ですね。
【NO.12】
『 焼き芋を 半分分けて 恋始まる 』
季語:焼き芋(冬)
焼き芋を「半分分けて」始まった恋。とてもあたたかくて、穏やかな時間を感じます。ドラマのワンシーンのような「今まさに恋が始まった」その瞬間をシンプルな言葉でとても上手に表現しています。
【NO.13】
『 脇汗が 絞れるほどに 初デート 』
季語:汗(夏)
初めてのデート。ドキドキ…緊張している作者の心臓の音が聞こえてきそうですね。「脇汗が 絞れるほど」というユーモアのある言葉で、ドキドキの初デートの様子を上手に表現しています。
【NO.14】
『 今年もね 一緒に花火 いったよね 』
季語:花火(夏)
夏休みに花火大会に行った2人。「今年も」という言葉から、長くお付き合いをしている状況を感じます。「今年もね」「いったよね」と相手に語り掛けるような言葉がとても可愛らしく微笑ましいです。
【NO.15】
『 夏終わる 今年も君に 言えなくて 』
季語:夏(夏)
「君」に伝えたい言葉、相手を想う気持ちはなかなか簡単には言えない言葉ですよね。「今年も」言えなかった。伝えたいけれど伝えられない…作者のもどかしい気持ちがとても伝わります。
【NO.16】
『 彼想い 夏の宿題 手付かずに 』
季語:夏(夏)
大好きな「彼」のことを考えると宿題も手に付かない。頭の中は彼のことでいっぱいなのでしょうね。とても可愛らしくて、思わず笑みがこぼれる微笑ましい一句です。
【NO.17】
『 まだいたい 線香花火 落ちるなよ 』
季語:線香花火(夏)
「まだいたい」という作者の真っすぐな言葉がとても素敵ですね。大好きな人と線香花火を楽しんでいるのでしょう。線香花火が落ちてしまったら終わり。まだまだずっと一緒にいたい。そんな作者の声が聞こえてくるようです。
【NO.18】
『 夏祭り 浴衣の君と 初デート 』
季語:夏祭り(夏)
夏祭りに出かけた作者。「浴衣の君」の可愛らしい姿に思わず笑みがこぼれてしまう作者の様子が目に浮かびます。初デートで夏祭りに行く、お互いに笑顔いっぱいで初々しい雰囲気を感じます。
【NO.19】
『 かき氷 色水となり 恋終わる 』
季語:かき氷(夏)
「恋終わる」という言葉から作者の想いが相手に伝わらなかったことが想像できます。かき氷が色水になってしまうほどの長い時間の中で、相手に想いを伝えることができなかった・告白することができなかった作者の無念な気持ちを感じます。「恋終わる」という言葉がとても切ないです。
【NO.20】
『 夏期講習 あなたの隣が 指定席 』
季語:夏期講習(夏)
夏休み中、夏期講習に参加している作者。「あなた」がいつも座る席の隣に座ることが作者にとってとても嬉しくて幸せなことなのでしょう。作者がドキドキしながら隣に座る姿が目に浮かびます。「指定席」という言葉の使い方がとても上手で、あたたかい空気を感じます。
以上、高校生向け恋の俳句20選でした!
たった17文字に自分の想いと季語を入れて表現する俳句の世界。
17文字で表現された恋の俳句は、心があたたかくほっこりするものやドキドキするもの、心の奥がギュッと痛くなるものなど…さまざまなものがありますね。
17文字で表現することは簡単なことではありませんが、言葉の選び方によってそれぞれとても雰囲気が変わるように思います。
皆さんの恋の思い出…、是非俳句で表現してみてはいかがでしょうか。