突然ですが、「友達」といわれて思い浮かべる人は何人いるでしょうか?
- 小さい時から一緒の幼馴染のお友達
- 同じクラスのお友達
- 学年は違うけれど近所の仲良しのお友達
- 学校が終わったあと一緒に過ごすお友達
- 習い事のお友達
- 同じスポーツチームのお友達 などなど…。
さまざまな環境で、個々それぞれ、いろいろな関わりがあると思います。皆さんにとって「友達」とはどのような存在でしょうか?
今回は、友情&友達をテーマにした小学生向けの俳句作品を15句、中学生向けの俳句作品を15句(計30句)紹介していきます。
夏休み 友達 家族に ありがとう -前川 心の俳句- pic.twitter.com/pWUZTK7YPN
— まえ (@iscreamaaa) September 15, 2016
小学生向け!友情&友達をテーマにした俳句ネタ作品【15選】
【NO.1】
『 友だちと 初めて電話 夏のひる 』
季語:夏(夏)
夏休みの出来事でしょうか。お休み中会えないお友だちと「初めて」の電話。なかなかかける機会もないと思いますので、きっと作者の心はドキドキがいっぱいだったことでしょう。顔を会わせてお話するのとは少し違う雰囲気を楽しんだのではないでしょうか。
【NO.2】
『 友達と 芝生で一緒に 虹を見た 』
季語:虹(夏)
広い芝生の上でごろんと横になって広い空を眺める2人。何気ない姿ですが、とても素敵な光景が目に浮かびます。大きな虹をたっぷり堪能することができたことでしょう。
【NO.3】
『 さくらんぼ 二人で食べて 仲直り 』
季語:さくらんぼ(夏)
けんかをしてしまったのでしょうか。お互いずっと気になりつつも、声をかけるタイミングがなかったのでしょう。二つの実がくっついているさくらんぼ。これが良いきっかけになったのかもしれませんね。照れ笑いしながらさくらんぼを食べる微笑ましい姿が目に浮かびます。
【NO.4】
『 みんなこい なげるぞなげるぞ 雪がっせん 』
季語:雪がっせん(冬)
お友達皆で、雪合戦を楽しんでいるのでしょう。「なげるぞなげるぞ」という言葉は、とても臨場感があります。とてもリズムの良い句で、お友達との楽しいやり取りが想像できる一句です。
【NO.5】
『 友達が 増えた分だけ 年賀状 』
季語:年賀状(冬・新年)
お友達がたくさんできたのでしょう。お友達の数に合わせて年賀状を準備していることを詠んでいます。「増えた分だけ」年賀状も増える。嬉しい悲鳴ですね。
【NO.6】
『 夏の海 水でっぽうで たいけつだ 』
季語:水でっぽう(夏)
お友達と海に遊びに行った時のことを詠んでいます。「夏の海」での水鉄砲遊び。とても楽しい時間を感じます。お友達と一緒に、笑顔いっぱいの作者の姿が想像できる一句です。
【NO.7】
『 なかなおり コスモスいっぱい 帰り道 』
季語:コスモス(秋)
お友達との仲直りの様子を表現しています。今日こそは!…1時間目が終わったら!…給食までには!…いろいろなタイミングで声をかけようと思いながらもうまくできなかった作者の姿が想像できます。帰り道、やっとやっと「なかなおり」することができた作者。きっとコスモスも嬉しい気持ちになっていることでしょう。
【NO.8】
『 夏が来た 二人一緒に おにごっこ 』
季語:夏(夏)
仲良しのお友達と遊んでいる様子を詠んでいます。何気ない一コマですが、お友達と一緒なら、何をしていても楽しい時間なのではないでしょうか。汗をたくさんかきながら、おにごっこを楽しむ二人の姿が目に浮かびます。
【NO.9】
『 年賀状 遠いともだち なかなおり 』
季語:年賀状(冬・新年)
けんかしたままお互い離れてしまったのでしょうか。「遠いともだち」という言葉は、とても深い意味を感じます。年賀状が良いきっかけになって仲直りすることができ、良い新年が迎えられたことでしょう。
【NO.10】
『 大雪に 負けるな友よ メッセージ 』
季語:大雪(冬)
異常気象等の影響もあり、「記録的大雪」という言葉をニュース等で耳にする機会を多いと思います。作者のお友達は、大雪で被害があったのかもしれませんね。「負けるな」という心のこもったメッセージは、お友達の心にとても深く響いたことでしょう。お友達を思いやり、すぐにメッセージを送るという作者の素晴らしい行動力とあたたかい優しさを感じる一句です。
【NO.11】
『 友達は 初めてだって 笑い合う 』
季語:無季
友達が出来たのは初めてだと笑い合う様子を詠んだ句です。クラスで初めてなのか、小学校にあがってから初めてなのか、色々なシチュエーションが思い浮かびます。初めての友達は感慨深く、思い出に残るものです。
【NO.12】
『 午後も行く プールへ別の 友達と 』
季語:プール(夏)
午前中に他の友達とプールへ行き、さらに午後に違う友達とプールへ行った作者を詠んだ一句です。プールはかなり体力を使うので、昼と帰ってきた夕方は疲れ果ててぐっすり眠ってしまっている様子が浮かんできます。体力のある子供だからこそ出来る芸当ですね。
【NO.13】
『 手をつなご 魔法のように さむいから 』
季語:さむい(冬)
魔法にかけられたように寒いので手をつなごうと提案してきた友人を詠んだ句です。2人とも素手だったのか、どちらかが手袋をしていたのか、様々な状況が浮かんできます。「友人同士で手を繋ぐ」という行為自体が心温まる光景ですが、実際に体温を感じてさらに温かくなったことでしょう。
【NO.14】
『 秋空へ つなぐバトンと 友の手と 』
季語:秋空(秋)
秋空の下でリレーのバトンを友人の手に繋いでいく様子を詠んだ句です。リレーはバトンパスこそ一番肝心な部分であると言われるように、友人と呼吸を合わせてバトンを繋いだのでしょう。練習の時に呼吸を合わせる様子が浮かんでくるようです。
【NO.15】
『 帰り道 友だちと見る 遠花火 』
季語:遠花火(秋)
学校や遊んだあとの帰り道で、友人と並んで遠くに上がる花火を眺めている一句です。遊園地や河川敷などよく花火が上がる場所を知っていたのなら、「この花火はあの場所であげているのかな」と語り合いながら見ていたことでしょう。
中学生向け!友情&友達をテーマにした俳句ネタ作品【15選】
【NO.1】
『 友といて 会話つきせず キャンプの夜 』
季語:キャンプ(夏)
仲良しのお友達とのキャンプの様子を詠んでいます。「会話つきせず」という言葉から、作者とお友達との関係性がとてもよく伝わります。止まることのない楽しいおしゃべりの時間。夜の時間は、あっという間に過ぎていくことでしょう。
【NO.2】
『 夏祭り 懐かしい友に ふと出会う 』
季語:夏祭り(夏)
夏祭りで久しぶりにお友達に会ったのでしょう。「懐かしい友」という表現がとても素敵です。会えない時間があっても、離れていても「友」はいつまでも「友」。心があたたかくなる一句です。
【NO.3】
『 つかめない 流しそうめん 皆笑顔 』
季語:流しそうめん(夏)
なかなかつかむことができない流しそうめん。何気ないことですが、お友達と一緒だと、もうそれだけで楽しくて楽しくて笑顔いっぱいになることでしょう。作者の楽しい気持ちがあふれていますね。
【NO.4】
『 炎天下 倒れた友に ポカリ出す 』
季語:炎天下(夏)
炎天下の中、お友達が倒れてしまうという緊急事態。すぐに駆け寄り介抱する、作者の健気な姿が想像できます。思わず体が動いた、という作者の優しさを感じる一句です。
【NO.5】
『 初雪を スマホで撮りて 遠き友 』
季語:初雪(冬)
初雪をスマホで撮り、お友達に送る。こういうやりとりが、相手がどこにいようとも、いつでも、どこでもできることはとても嬉しいことですよね。遠く離れたお友達と、いつもつながることができるのは、スマホの素晴らしい利点ですね。
【NO.6】
『 年賀状 会いたい気持ちが あふれだす 』
季語:年賀状(冬・新年)
お友達のことを思い浮かべながら年賀状を書いていたら、お友達と会いたくなったのでしょう。「あふれだす」という表現がとても上手です。お休み中も会いたいと思うくらい、お友達と良い関係性なのでしょうね。
【NO.7】
『 噴水を 背に語り合ふ 卒業後 』
季語:噴水(夏)
噴水がある公園等に座りながらお話をする二人の姿が想像できます。新しい一歩を踏み出すことになる「卒業後」。未知の世界は、わくわく楽しい気持ちだけではないですよね。たくさんのことを語り合うことで、お互いに「がんばろう」とエールを送りあっているのかもしれませんね。
【NO.8】
『 おにぎりの 中は梅干し 友もまた 』
季語:梅干し(夏)
ランチタイムの様子でしょうか。それとも遠足等のお弁当の様子でしょうか。仲良しのお友達とおにぎりを食べていたら中身は同じ梅干し。何気ないことですが、なんだかほっこりあたたかい空気を感じる一句です。
【NO.9】
『 来る友の 賀状届かず 日が暮れる 』
季語:賀状(冬・新年)
仲良しのお友達からの年賀状が届かないのでしょう。いつも来るはずの年賀状が来ないと、どうしたのだろう…?と心配になりますよね。まだかまだかと待つ作者の様子が目に浮かびます。その後どうなったのでしょうか。後からきちんと連絡を取れていることを願うばかりです。
【NO.10】
『 焼き芋を 古紙に包みて 友来たる 』
季語:焼き芋(冬)
焼き芋のプレゼントを持ってお友達が遊びに来てくれた時の様子を詠んでいます。さまざまなお店で焼き芋を購入することができますが、「古紙に包みて」という表現から、もしかしたらお友達がご自宅でつくって持ってきてくれたのかもしれませんね。焼き芋を仲良く食べる微笑ましい様子が目に浮かびます。
【NO.11】
『 学校に 来ぬ友の居る 夜店かな 』
季語:夜店(夏)
学校に来ていなかった友人と、夏祭りの出店で再会した時の一句です。学校に来ない理由は色々あるでしょうが、句の中では言及しないところから会えて嬉しいという作者の気持ちが伝わってきます。この後2人で夜店を回って遊んだのでしょう。
【NO.12】
『 水切りを 競り合う友や 夏の夕 』
季語:夏の夕(夏)
「水切り」とは川や池などの水面に石を投げて、跳ねさせて距離を競う遊びです。夕方になるまで長い間友人と水切りで遊んでいたのでしょう。自分の方が距離が長かった、いいや自分の方が多く跳ねたと言い合っている声が聞こえてくるような一句です。
【NO.13】
『 美術館 友とはしごの 日永かな 』
季語:日永(春)
美術館を友人と何軒も訪れる春の日を詠んだ一句です。見たい特別展が各々違ったのでしょうか、何軒も訪ね歩く様子を「はしご」と呼んでいます。「日永」になったからこそ美術館をはしご出来たのだという気持ちと、春の麗らかな気候も楽しんでいる気持ちが込められている季語です。
【NO.14】
『 あす会わぬ 友と合わせる 卒業歌 』
季語:卒業歌(春)
明日からもう会わない友だちと、卒業式に歌う歌を合わせる様子を詠んだ句です。「会う」と「合う」で掛けているのが上手な一句で、もう明日からはこの学校で会うこともないのに、今この瞬間は歌を合わせているという寂しさを感じます。
【NO.15】
『 万緑や 友の相談 引き受ける 』
季語:万緑(夏)
万緑の中で友人の相談を聞いている作者を表した一句です。木陰のベンチに座っているイメージがわいてきます。「万緑」という夏の季語から、学校生活が新たに始まって悩みを抱えた友人と話をしているのでしょうか。友人関係の悩みや、部活の悩みなど色々と思い浮かびますね。
以上、友情&友達をテーマにした俳句ネタ作品集でした!
さいごに
学生時代の友達は、「一生の宝物・財産になる」と言われます。
たくさんの友達がいれば、それだけさまざまなつながりがあり、多くの関わりがあることでしょう。
しかし、「友達が多ければ多い方が良い」というわけではありません。
友達との関係性は個々それぞれです。お友達が少ないことを悲しむ必要はありません。もちろんお友達がたくさんいることが悪いことでもありません。
皆さんが今思い浮かべたお友達との関係性が良いものであればそれで良いのではないでしょうか。
皆さんの大切なお友達のこと、17文字にのせてみてください。心のこもった、あたたかい素敵な俳句ができることでしょう。