『希望』とは、「未来に望みをかけること」「こうなれば良い、なってほしいと願うこと」「将来に対する期待や明るい見通しのこと」「あることの実績をのぞみねがうこと」等の意味があります。あなたにとっての「希望」はどのようなものですか?
今回は、「希望」をテーマにした俳句を20句紹介していきます。
今日8月19日は #俳句の日。さくら友蔵俳句選
「明日こそ 何かいいこと あるだろう」友蔵 希望の俳句pic.twitter.com/km2KpN2KIy— 静岡ジン🍥 (@szgmt) August 19, 2017
希望をテーマにした有名俳句【10選】
【NO.1】西田誠
『 子に未来 てんとうむしに 星七つ 』
季語:てんとうむし(夏)
意味:我が子の未来を想う、てんとうむしに星が七つある。
七つの星を持つてんとうむしは幸運の虫であり、幸運を呼び寄せる力が強いと言われています。ナナツホシテントウムシを見つけ、大切な我が子の未来が幸せなものになりますように、と願う親心を感じる一句です。
【NO.2】山田弘子
『 卒業の アルバム未来 見つむ瞳よ 』
季語:卒業(春)
意味:卒業アルバムを見ながら未来を見つめている。
卒業を迎え、皆との楽しい思い出を感じながら卒業アルバムを見つめる。この頃に戻りたい、そう感じながらも新しい一歩を踏み出さなくてはいけない。アルバムを見ながら、もう一つ先の未来を見つめ、ワクワク楽しみな気持ちと共に少し不安を感じているのかもしれませんね。作者の瞳にうつった未来はどのようなものだったのでしょうか。
【NO.3】稲畑汀子
『 入学の 顔の輝き 揃ひけり 』
季語:入学(春)
意味:入学式にて輝く顔が揃った。
入学式。緊張した面持ちの新入生が座っている光景が目に浮かびます。新入生一人一人、新しい学校での生活に思うことがあることでしょう。不安もあるかもしれません。でも個々それぞれが、輝く未来を願い、希望をもって今この場に立っているのではないでしょうか。光り輝く生徒たちの顔が揃う入学式。素敵な光景ですね。
【NO.4】相馬遷子
『 雪雲の 晴れ間の希望 すぐに消ゆ 』
季語:雪雲(冬)
意味:雪雲の中から見えた晴れ間の希望はすぐに消えた。
「雪雲」とは、広い空全体を覆う暗灰色をした雲で、 降水をもたらす雲の代表格といわれています。雪雲の中から晴れ間が見えることを望む、わずかに見えた晴れ間はあっという間に消えてしまった。何となく悲しい気持ちになってしまいますね。
【NO.5】林民子
『 正月や 望みの高き 絵馬あふれ 』
季語:正月(新年)
意味:正月、望みの高い絵馬があふれている。
新年を迎え、お参りをし絵馬をかく。お正月ならではの光景ですね。一年のはじまりの絵馬ですから、「もしかしたら無理かもしれない」と思うことなく、思いっきり書きたいですよね。希望があることは良いことですね。
【NO.6】小松扇栄
『 雪さらり 掃いて希望の 子の門出 』
季語:雪(冬)
意味:雪をさらりと掃いて子どもの門出を祝う。
作者にとって子どもは希望。希望である子どもの門出のため、雪を掃ききれいにしているのでしょう。子どもの未来が輝かしいものであることを願いながら、きれいに歩きやすくしてあげたいという作者の優しい気持ちを感じます。
【NO.7】村田芳水
『 付き添いし 孫の未来へ 破魔矢受く 』
季語:破魔矢(新年)
意味:付き添った、孫の未来のために破魔矢を受け取る。
「破魔矢」とは、身にふりかかる災いである魔を破り幸せに暮らせますように、という願いを込めた縁起物のことです。大切な孫のために破魔矢を受け取る作者。孫の未来が良いものでありますように、幸せでありますようにと願う気持ちが伝わります。愛があふれている素敵な一句です。
【NO.8】深見けん二
『 人はみな なにかにはげみ 初桜 』
季語:初桜(春)
意味:人は皆、何かに励んでいる。初桜の時期だなぁ。
「初桜」とは、その年に初めて咲いた桜の花、または咲いて間もない桜の花のことをいい、春の季語になっています。日本では、春は年度のはじまりであり、新しい一年のスタートの時期ともいえます。咲き始めた桜の花は人々の心を前向きにし、未来への希望をもたせてくれているのかもしれません。とても深い想いが込められているように感じます。
【NO.9】所山花
『 君らには 君らの未来 バラ芽立つ 』
季語:芽立つ(春)
意味:君たちには君たちの未来がある、バラの芽が出ている。
個々それぞれに未来がある。それは誰のものでもなくあなたのものだよ、と優しく話しかけてくれているような一句です。自分の未来、やりたいこと・目指したいもの・こうなりたいと願うこと、いろいろあると思います。自分を信じて自分が望む道を自分で歩いていきなさい、と伝えているように感じます。
【NO.10】駒井水雀
『 初孫の 未来を包む 花毛布 』
季語:毛布(冬)
意味:初孫の未来を包む花毛布である。
「花毛布」とは毛布をおって作られる飾りで縁起の良いものとされています。大切な初孫のために用意された花毛布。優しくあたたかく包み込まれている様子が目に浮かびます。孫の未来が希望に満ち溢れたものでありますように、という想いを込めて準備をしたのでしょうね。優しさと愛情があふれていますね。
希望をテーマにした一般俳句ネタ集【10選】
【NO.1】
『 卒園の 孫に嬉しい ランドセル 』
季語:ランドセル(春)
卒園したお孫さんに届いたランドセル。「嬉しい」というシンプルな言葉ですが、とても喜んでいることがまっすぐに伝わります。ランドセルを背負っていく小学校はどのようなところかな、とワクワクする気持ちと不安な気持ちが入り混じっていることでしょう。楽しいことや嬉しいことがたくさんあると良いですね。
【NO.2】
『 書初めは 希望を託し 初日の出 』
季語:書初め(新年)
新年を迎えて、書初めをする作者。新しい一年が良い一年になるよう想いをこめて書いたことでしょう。作者の願い・望みが叶いますように。
【NO.3】
『 入院の母 次の花見の予約 』
季語:花見(春)
入院することになった作者のお母様。「次の花見の予約」が、よし!がんばろう!というお母様にとっての大きな希望になるように、という作者の優しい気持ちが心にしみます。
【NO.4】
『 短冊に 復興祈る 星祭 』
季語:星祭(秋)
「星祭」とは七夕の別名です。七夕の日に短冊を書く作者。願いはただ一つ、「復興」。作者にとってとても大切な街の復興を心から願っていることが伝わります。七夕の短冊にはたくさんの人の希望がたくさんつまっていますね。
【NO.5】
『 ささやかな 望みを秘めて 流れ星 』
季語:流れ星(秋)
「ささやかな 望み」とはどのようなものなのでしょうか。「ささやかな」という少々控えめな言葉がこの俳句の良いアクセントになっているように感じます。流れ星に願う「望み」。叶うと良いですね。
【NO.6】
『 卒業は 夢と希望の 門出なり 』
季語:卒業(春)
学校を卒業すること。新しい一歩を踏み出す時です。個々それぞれが持つ夢や希望に向かって、心がわくわくしていることでしょう。卒業することは今まで慣れ親しんだ場所から離れることでもあり悲しい気持ちもあると思います。でも「夢と希望の 門出」という言葉はとても前向きな気持ちにしてくれる素敵な言葉だと思います。
【NO.7】
『 亡父(ちち)の希望 詰めリュックと 山登る 』
季語:山登る(夏)
亡くなられたお父様の希望。心の中にあったけれど叶うことがなかった望みを作者が引き継ぎ、その想いともに山に登る。映画のワンシーンのような素敵な光景が目に浮かびます。お父様、きっととても喜ばれているのではないでしょうか。作者の優しい気持ちに心がほっこりする一句です。
【NO.8】
『 一歩ずつ 上を目指して 夏の山 』
季語:夏(夏)
山の上には何があるのか。一歩ずつ一歩ずつ、一生懸命進んでいく姿が想像できます。作者にとって山の頂上に行くことは大きな希望であり、今その想いを達成しようとしています。とても素敵なことですね。
【NO.9】
『 東北の 復興祈る 星祭 』
季語:星祭(秋)
七夕の日。東北の復興をただひたすらに願う作者。夢も希望もなくなってしまったあの日から少しずつ周りの景色は変わってきているのかもしれないけれど、「復興」という言葉から考えてみるときっとまだまだなのだと思います。わずかでも希望を持ち続けて一生懸命前を向こうとしている姿は胸にせまるものあります。
【NO.10】
『 飛行機雲 夢と希望の 入学だ 』
季語:入学(春)
入学の日、飛行機雲を見た作者。「飛行機雲」を見るときは、運気が上昇しているとき・縁起が良く願いが叶いやすいとき、等という良いイメージがあるそうです。入学の日、夢と希望にあふれ新しい一歩を踏み出すときに飛行機雲を見たこと、とても幸せな気持ちになりますね。
以上、希望をテーマにした俳句集でした!
今回は、「希望」について詠まれた有名俳句とオリジナル俳句を10句ずつ紹介してきました。
『希望』という熟語はどちらも「のぞみ」という意味合いをもつ「希」と「望」という漢字からできています。似たような意味の漢字が組み合わさってできた熟語なのです。
自分の将来。未来はどのようなものになるのか明確には分かりません。だから不安になる。でも、希望をもつことで未来への道のりを歩くための大きなエネルギーになるのではないでしょうか。「希望」はどのようなものでも良いのです。大きさ等も関係ありません。
あなたの心の中にある希望。
17文字にあなたの「のぞみ」を込めてみてはいかかでしょうか。