「6月」といえば「雨」という印象が強い方も多いのではないでしょうか。
6月はちょうど春から夏へと移り変わる時期で、雨が続く梅雨の季節です。
6月と言えば、梅雨
6月と言えば、紫陽花
ちなみに私は雨女(´・ω・`) pic.twitter.com/OZsu6k93x1— さおり (@25Xxsaxx) June 14, 2016
重くどんよりとした雲が空に広がり、雨が長く続くことで憂鬱な気持ちになってしまうこともあります。しかし、植物や生き物にとってはとても大切なものであり、恵みの雨でもあります。
「6月」ならではの風物も多い時期、皆さんはどのような想いでこの時期を表現しているのでしょうか。
今回は、そんな「6月」の季語を使用したオススメ俳句ネタを20句ご紹介します。
6月の季語を使ったオススメ俳句ネタ【前半10句】
【NO.1】
『 田植する 老婆に母を 思い出し 』
季語:田植(夏)
田植えをしている老婆に母の姿を重ねる作者。母親と同じくらいの年齢なのかもしれませんね。一生懸命黙々と働く母の姿を懐かしく思い出し、感慨深いのではないでしょうか。
【NO.2】
『 梅雨の空 泣き出しそうな 雲浮かぶ 』
季語:梅雨(夏)
今にも雨が降り出しそうな梅雨の空。そこに浮かぶ雲を「泣き出しそう」と表現している作者の感性が素晴らしいです。今にも涙がぽつんと落ちそうな表情に見えたのかもしれませんね。作者が見ている光景が、とても上手に表現されています。
【NO.3】
『 雨上がり 雲の上には 虹の橋 』
季語:虹(夏)
雨が上がり、少しずつ雲が流れて晴れ間が見え始める中で見えた大きなきれいな虹が想像できる一句です。「虹の橋」という表現がとても素敵です。
【NO.4】
『 ベランダに 干し物並び 五月晴れ 』
季語:五月晴れ(夏)
梅雨の合間の晴天。となるとやはりお洗濯ですよね。雨が続いてなかなかすっきりと乾かなかった洗濯物を一気にベランダに干すと心がスッキリ!するのではないでしょうか。作者の想いがとてもよく伝わります。
【NO.5】
『 ばあちゃんち 台風が来て びわとれず 』
季語:びわ(夏)
作者はきっと、おばあちゃんから届くびわをいつも楽しみにしていたのでしょう。
台風によってびわがとれなかったことはとても残念なことですね。「台風」という自然の猛威を前にきっとなす術がなかったことでしょう。とても悲しいことですが、おばあちゃんがお元気そうで何よりです。
【NO.6】
『 父の日や 銭湯に向かう 父と僕 』
季語:父の日(夏)
父の日にお父様と一緒に銭湯に行ったことを詠んでいます。「一緒に行こう」と子どもから声をかけてもらい、お父様はきっととても嬉しかったことでしょう。とても素敵なプレゼントですね。笑顔があふれるお風呂タイムだったのではないでしょう。
【NO.7】
『 ふと見ると 赤白ピンク アジサイだ 』
季語:アジサイ(夏)
普段何気なく通っている道。ふと見てみると、色鮮やかに咲くあじさいがあり、とても綺麗な光景で目にとまったのかもしれませんね。「赤白ピンク」と、美しいあじさいがたくさん咲いている様子が目に浮かびます。
【NO.8】
『 五月晴れ 一直線や 飛行機雲 』
季語:五月晴れ(夏)
梅雨の晴れ間。空の雲が動き、きれいな青空が大きく広がる光景が想像できる一句です。「飛行機雲」が「一直線」に伸びる美しい光景がしっかりと見えるほどの晴れ間は、心もすっきりして気持ちが良いですね。
【NO.9】
『 田植して 田んぼにいねが せいれつだ 』
季語:田植(夏)
作者は田んぼで田植えのお手伝いをしたのでしょう。一生懸命、稲を並べて頑張って作業をしている作者の姿が目に浮かびます。全ての作業が終わり、とてもきれいに「せいれつ」している田んぼを見た時の驚きと喜びがとても上手に表現されています。
【NO.10】
『 山の中 蛍がひかり 文字つくる 』
季語:蛍(夏)
山の中で見た蛍の様子を表現しています。小さな蛍がたくさん集まり、繊細な光を放つ姿はとても美しく素敵な光景だったことでしょう。「文字をつくる」という作者の言葉の選び方や表現がとても素晴らしいです。
6月の季語を使ったオススメ俳句ネタ【後半10句】
【NO.11】
『 梅雨の空 生徒の声で 晴れてゆく 』
季語:梅雨(夏)
どんよりと重い雲が広がりスッキリしない梅雨の空。しかし、元気いっぱいの生徒たちの声は重い雲を吹き飛ばしてくれたのかもしれませんね。きれいな青空が広がる光景が想像できます。
【NO.12】
『 田植えする 足下に広がる 五月空 』
季語:田植え(夏)
「五月空」とは爽やかに晴れ渡った空のことをいいます。田植えのお手伝いをした作者。美しく輝く田んぼに、きれいに広がる爽やかな青空がうつったのでしょう。「足下に広がる」という表現がとても上手で、光景が目に浮かびます。
【NO.13】
『 父の日に 珈琲供えて 偲ぶ朝 』
季語:父の日(夏)
父の日。亡くなられたお父様に珈琲を供える作者。とてもあたたかく穏やかな時間を感じます。優しさにあふれる作者の想いをお父様はきっととても喜ばれていることでしょう。
【NO.14】
『 風鈴が 新しい風を 持ってくる 』
季語:風鈴(夏)
風がくると風鈴がなるのではく、「風鈴が」風をもってくることでなる、という作者の素敵な発想がとても素晴らしいです。「新しい風」を運んできてくれた風鈴の美しい音色が響いていることでしょう。
【NO.15】
『 公園に 子供たくさん 梅雨晴れ間 』
季語:梅雨晴れ間(夏)
雨がやんで公園で遊ぶことを楽しみにしていた子どもたちの元気な声が聞こえてくるような一句です。梅雨の晴れ間には、きっとたくさんの笑顔が街中にあふれているのではないでしょうか。
【NO.16】
『 蛍飛ぶ これが最後か 見納めか 』
季語:蛍(夏)
なかなか見る機会がなくなってしまった蛍。蛍が飛ぶ姿を見て、「これが最後か」と悲しい想いで見つめる作者の姿が想像できます。「見納め」という言葉は、作者の諦めの気持ちも感じ、切なくて心が痛くなります。
【NO.17】
『 父の日や 子と飲み交わす 極上酒 』
季語:父の日(夏)
父の日。子どもと一緒にお酒を楽しむ作者の姿を詠んでいます。子どもと一緒に飲むことが嬉しくて仕方がない様子が目に浮かびます。「極上酒」という言葉に、子どもと一緒にいるだけで幸せである、という作者の想いが込められているのではないでしょうか。
【NO.18】
『 梅雨が好き 君と二人で 相合傘 』
季語:梅雨(夏)
雨が長く続く梅雨はどうしてもマイナスにとらえてしまい、うんざりした気持ちにもなってしまう方も多いのではないでしょうか。でも作者は、「君」と一緒に「相合傘」ができる「梅雨が好き」と表現しています。とても素敵な一句で、思わず笑顔になってしまいますね。
【NO.19】
『 アジサイは 雨つぶ食べて 笑顔さく 』
季語:アジサイ(夏)
雨が降る中、色鮮やかに咲く紫陽花。その光景を「雨つぶ食べて」ととても上手に表現しています。紫陽花にとって雨は恵の雨、大好きな雨をたくさん食べて、ぐんぐん成長しきれいに咲いている、という発想がとても素晴らしいです。作者の「笑顔」も一緒に咲いていることでしょう。
【NO.20】
『 心地良い 青空広がる 五月晴れ 』
季語:五月晴れ(夏)
梅雨の合間の晴れ間はやはりとても心地良く、心も晴れやかになることでしょう。「心地良い」という言葉に作者の想いが全て詰まっているのではないでしょうか。「青空広がる」中、雨粒が太陽に照らされて輝く美しい光景が目に浮かびます。
以上、6月に関するオススメ俳句ネタでした!
「6月」は、時期的に雨の日が多く、外出するのも準備等が大変でおっくうになってしまいがちです。
しかし、一歩外に出てみると雨に濡れて咲く色鮮やかな紫陽花など、この時期にしかみられないような美しく素敵な光景をたくさん見つけることができます。
憂鬱なことも、すこし視点を変えてみると、良い面がたくさん見えてくるかもしれません。
「6月」ならではの風物を探しに、お散歩に出かけてみてはいかがでしょうか。