「正月」は1年の最初の月のことで、1月の別称です。
現在では、正月行事をする期間を「正月」と捉えることが多く、1月7日まで、もしくは1月15日くらいまでのことを指すようになっています。
かつては、正月もお盆と同じように、祖先の霊を呼び慰霊する行事でした。それが次第に新年のお祝いと、新しい一年の無病息災を願うものに変わっていったとされています。
今回は、そんな「お正月」をテーマにした俳句(一般俳句作品)を30句紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。
ひしひしと 迫る正月 鏡餅#川柳 #俳句 #短歌 #鏡餅 #作りました #ひしひしと迫る #年末年始 #やることいっぱい #師走 #忙しすぎ#もういくつ寝ると#お正月 #フォト川柳 #フォト俳句 #フォト短歌 pic.twitter.com/e5ervK4zjc
— 迫本理寛 (@michiseri) December 28, 2017
おはようです☀今日からお返事ちゃんと返します😅
正月の
気分そぞろに
初詣五日とて
「いつか」を重ね
手を合わせ淑気満つ
電車のなかの
御正月夢見師の
夢にて出会う
年賀かな#kigo #jhaiku #俳句 #詩 pic.twitter.com/3Z5wyUv9kL— そら (@SongsForAngels) January 4, 2014
俳句作りに息詰まった方は、ぜひこの記事を参考にしてみてね!
目次
正月をテーマにした中学生向け俳句作品集【前編10句】
【NO.1】
『 お正月 親戚いっぱい 大賑わい 』
季語:お正月(新年)
お正月ということで、作者の家にたくさんの親戚が集まったのでしょう。一年のはじまりにこのように皆で顔をあわせることはとても良いことです。「大賑わい」という言葉から、皆さんが笑顔いっぱいで楽しそうに過ごされている様子が想像できます。
【NO.2】
『 初もうで 少し多めの お賽銭 』
季語:初もうで(新年)
いよいよ受験日が近くなってきた作者。初もうでに出かけた際の様子を詠んでいます。「少し多めの」という言葉が良いですね。学生さんでそんなにたくさんお金があるわけではないけれど、いつもより少し多めのお賽銭を用意する作者。作者の祈りが通じることを願うばかりです。
【NO.3】
『 元旦や おせち味良し 縁起良し 』
季語:元旦(新年)
「元旦」は1月1日の朝、元日の朝のことをいいます。元日の朝、家族皆でそろって挨拶をしておせちを食べる。昔ながらの風景でとても穏やかな時間を感じます。「おせち味良し 縁起良し」という言葉のリズムがとても良く、楽しい気持ちになる一句です。
【NO.4】
『 正月や 我が顔似ている 人そろう 』
季語:正月(新年)
お正月、ご家族や親戚、たくさんの方が集まっているのでしょう。「我が顔似ている」という言葉がとても良いです。どこかしら似たような雰囲気のある人たちが揃うお正月。とても素敵な時間を過ごされている光景が目に浮かびます。
【NO.5】
『 お正月 今年もいとこと 背くらべ 』
季語:お正月(新年)
作者といとこさんとの毎年恒例の「背くらべ」。年齢が近い2人の背くらべを周りの大人たちも楽しみにしているのではないでしょうか。さて今年はどちらの背が高かったのでしょうか。
【NO.6】
『 初日の出 いつもと違う 海の色 』
季語:初日の出(新年)
「初日の出」とは、1月1日(元日)の日の出(太陽が水平線や地平線から姿を現す様)のことで、元旦に見る日の出はどこから見ても「初日の出」となります。初日の出を拝む作者。「いつもと違う」と感じた海の色はどのようなものだったのでしょうか。海に輝く美しい光に何か感じるものがあったのかもしれませんね。
【NO.7】
『 お正月 家族で過ごす 大事な日 』
季語:お正月(新年)
作者にとってお正月は「家族皆で一緒に過ごす日」なのですね。とても素敵なご家族であたたかく穏やかな空気を感じます。「大事な日」という言葉にとても想いがこもっていて重みを感じます。
【NO.8】
『 初もうで 姉と一緒に 願い事 』
季語:初もうで(新年)
お姉さんと一緒に初もうでに出かけた作者。作者の「願い事」とお姉さんの願い事。もしかしたら同じ願い事なのかもしれません。2人がじっと静かに手を合わせて願い事をしている姿が目に浮かびます。
【NO.9】
『 お正月 餅がふくらむ わたしもね 』
季語:お正月(新年)
お正月といえば、神様へのお供えものとしての鏡餅です。お正月に食べるお餅は地域によってさまざまな食べ方があります。作者はどのようにお餅を食べるのでしょうか。お餅のふくらみと自分自身をかけているユーモアのある楽しい一句です。
【NO.10】
『 一日は とても幸せ お年玉 』
季語:お年玉(新年)
元日1月1日は作者にとって「とても幸せ」な一日なのでしょう。作者と同じ思いの人がたくさんいるのではないでしょうか。やはり「お年玉」をもらうことはお正月の楽しみの一つであり、とても嬉しいことです。
正月をテーマにした中学生向け俳句作品集【中編10句】
【NO.11】
『 玄関に 靴の溢るる お正月 』
季語:正月(新年)
お正月に玄関に溢れるたくさんの靴。「靴の溢るる」という言葉から、お正月に作者の家にたくさんの人が訪れていることがとてもよく分かります。一つの言葉で、光景がしっかりと伝わる、作者のセンスがとても素晴らしいです。
【NO.12】
『 テレビ見て 食べてばかりの お正月 』
季語:正月(新年)
お正月はゆっくりのんびりお休みしたいものです。美味しいものがたくさんあり、楽しいものもたくさんある…、作者がとてもリラックスしている様子が想像できます。
【NO.13】
『 元旦に 気分新たに 書初めを 』
季語:元旦(新年)
「元旦」は新年1月1日の午前中のことをいいます。元旦に書初めをする作者。まさにお正月、という光景です。「気分新たに」という作者の想いが良いですね。
【NO.14】
『 ししまいに かまれて嬉しい お正月 』
季語:お正月(新年)
ししまいに噛まれることで、その人の邪気を食べてくれるとされています。お正月にししまいに頭を噛まれるとその1年が元気に過ごせると考えられているため、作者もししまいに頭を噛んでもらったのでしょう。「かまれて嬉しい」という言葉だけ見ると何だかとても面白いですね。
【NO.15】
『 元旦は 朝からみんな 笑ってる 』
季語:元旦(新年)
「元旦」は新年1月1日の午前中のこといいます。朝、「あけましておめでとうございます」と挨拶をして新しい年がはじまります。朝から家族皆が笑っている、とても素敵なご家族です。笑顔での新しい一年のスタート、とても良いことです。
【NO.16】
『 正月に お餅食べたぞ ふとったぞ 』
季語:正月(新年)
お正月といえば、お餅。地域や各家庭によって食べ方はさまざまだと思います。作者はたくさんお餅を食べたのでしょう。「お餅食べたぞ」「ふとったぞ」の流れがとても上手で面白く、テンポの良い一句です。
【NO.17】
『 新年に 今年の夢を 語り合う 』
季語:新年(新年)
新しい年のはじまり。今年一年の自分の想い、そして夢を周りの人へ発表する作者。まっすぐに自分の未来を見つめているようでとても素敵です。夢を語り合う作者たちの姿はきらきらと輝いているように感じます。
【NO.18】
『 初日の出 心機一転 誓う朝 』
季語:初日の出(新年)
初日の出を拝む作者。美しい光景を前になにか感じるものがあったのでしょう。「心機一転」を心に誓う、とても素晴らしいことだと思います。作者の新しい道を応援したくなる一句です。
【NO.19】
『 新年は おせちを食べて 初もうで 』
季語:初もうで(新年)
これぞお正月、という光景ですね。ご家族皆さんでおせちをゆっくり食べて、初もうでに出かける。とても穏やかであたたかい時間を感じます。新しい年のはじまり、心も体もスッキリ、気持ちの良いスタートだったのではないでしょうか。
【NO.20】
『 初もうで 家族の健康 願います 』
季語:初もうで(新年)
お正月、初もうでに出かける作者。心穏やかに、じっと静かに手を合わせる姿が目に浮かびます。願うことはただ一つ、「家族の健康」。家族想いの作者の素敵な一句です。
正月をテーマにした中学生向け俳句作品集【後編10句】
【NO.21】
『 お年玉 雪と同じに 溶けにけり 』
季語:お年玉(新年)
お年玉が雪のように溶けてしまったという、あっという間に使い切ってしまった様子を詠んだ句です。貰ってすぐに使ってしまったことを雪に例えているのがユーモラスな句になっています。
【NO.22】
『 空だけは いつも青くて 年の明け 』
季語:年の明け(新年)
東京の冬は晴天が多く、どれだけ寒くても青空なことが多いです。作者の体感ですが、いつでも年明けは青空だなぁと実感しています。
【NO.23】
『 元旦や 観て喰い観て喰い 観て終る 』
季語:元旦(新年)
元旦は初詣や初売りに行くなど忙しくする人もいますが、作者はひたすらテレビを見てご飯を食べて眠るという寝正月を堪能しています。たまにはそんなお正月もいいものかもしれません。
【NO.24】
『 境内に みくじの花咲く 初詣 』
季語:初詣(新年)
境内に括り付けられたおみくじを花に例えている一句です。花のように括り付けられていることから、多くの初詣客がいることがわかります。
【NO.25】
『 申し訳 無げな四日の 年賀状 』
季語:年賀状(新年)
予期せぬ人から年賀状が届くと、慌てて元旦を過ぎてから返しますよね。そんな時4日頃に到着した年賀状を「申し訳無げ」と表現している面白い句です。
【NO.26】
『 今起きた 初夢忘れ もう正午 』
季語:初夢(新年)
正午に起きたために初夢を忘れてしまったと嘆いています。正月休みの期間は起床時間が遅くなりがちなので気をつけましょう。
【NO.27】
『 筆始め 「希望の朝」は 尻すぼみ 』
季語:筆始め(新年)
書き初めの「希望の朝」という課題が、最初の文字を大きく書きすぎて「朝」が小さくなってしまった様子を詠んだ句です。習字で同じ状態になってしまった人も多いのではないでしょうか。
【NO.28】
『 一仕事 終えてはじめの 雑煮かな 』
季語:雑煮(新年)
お正月から仕事(家の仕事や学業など)をした人が、ようやくお雑煮にありついた様子を詠んだ句です。寒い中で仕事をして、一息ついている様子が伝わってきます。
【NO.29】
『 門松の 脇に寝ぼけた 猫の顔 』
季語:門松(新年)
門松の脇に寝ぼけたような猫がいる様子を詠んだ句です。お正月は猫も少しゆっくりとしたペースで過ごすのでしょうか。
【NO.30】
『 七草粥 塩梅よろし 祖母の笑み 』
季語:七草粥(新年)
七草粥を作っている祖母が、良い塩梅だと笑みを浮かべている様子を詠んだ句です。ちょうど冬休みも終わる頃に七草粥を食べると、お正月の期間が終わったという実感がわきます。
以上、正月をテーマにしたおすすめ俳句作品集でした!
さいごに
今回は、正月に関する俳句を30句紹介しました。
正月には「年神様」という神様が家に来て、新しい1年の幸せや健康をもたらしてくれると言われています。
その神様をお迎えするために用意するものが、門松(神様が降りてこられるときの目印)やしめ飾り(家に悪いものが入らないようにするためのもの)、おせち料理(神様へお供えするごちそう)等です。
最近では、このようなものを用意する家庭も段々と少なくなってきているようです。
また、元日から街がいつものように動き出す地域も多くなってきており、正月の雰囲気も時代とともに変わってきているように感じます。
皆さんは「正月」と聞いて、どのようなことを思い浮かべますか。
その想いを俳句にしてみてはいかがでしょうか。
正月3日も終わりますね...
沈む日を欠伸して観る寝正月 たかお#俳句 pic.twitter.com/El5hoUK9CA
— Takao (@Tanota2) January 3, 2016