お盆の正式名称は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」です。
盂蘭盆会は仏教の行事のことで、現代の暦でいうと8月13日~16日(陰暦7月13日~16日)に行われます。「お盆」「墓参り」等、お盆に関するものは秋(初秋)の季語になっています。
今回は、そんな「お盆(墓参り)」をテーマに一般の方が詠んだ俳句を20句紹介します。
停電で
お盆蝋燭
大活躍心の俳句 pic.twitter.com/C6JOCpWGDY
— Mikakapo (@mikakapo22) August 17, 2016
お盆(墓参り)について詠んだ俳句ネタ例集【前半10句】
【NO.1】
『 墓参り 集い花咲く 昔話 』
季語:墓参り(秋)
お墓参りのためにたくさんの人が集まったのでしょう。普段なかなか会えない家族や親戚等、ご先祖様が集まる機会をつくってくださったのかもしれませんね。昔話に花が咲く、とても素敵な光景ですね。
【NO.2】
『 卒業日 遠回りして 墓参り 』
季語:墓参り(秋)
卒業を迎えた作者。学校を無事に卒業したことを報告したい人がいるのでしょう。「遠回りして」でもきちんと伝えたかった作者の想いが伝わります。きっと「卒業おめでとう」と笑顔いっぱいで喜んでくれたのではないでしょうか。
【NO.3】
『 ざくざくと 落ち葉踏みしめ 墓参り 』
季語:墓参り(秋)
美しい紅葉の時期を終え、少しずつ葉が落ち始めてきた時期のお墓参りでしょうか。作者が向かっているお墓は、たくさんの木がある自然豊かな場所なのかもしれませんね。「ざくざくと」という音が聞こえてくるようです。
【NO.4】
『 お盆には 知らぬおじさん やって来る 』
季語:お盆(秋)
地域によると思いますが、お盆の時期にはたくさんの親戚の方が集まります。「知らぬおじさん」という表現がとても正直で可愛らしく面白いです。確かに、遠い親戚の方はなかなか会う機会もないと思いますので「知らない」のも無理もないですよね。
【NO.5】
『 小さき手 合わせて上手 墓参り 』
季語:墓参り(秋)
「小さき手」という言葉から、小さな子どもがお墓に手を合わせている姿が想像できます。大人と一緒に座って、真似っこをしながら同じように手を合わせる姿はとても微笑ましいですね。穏やかな時間を感じる一句です。
【NO.6】
『 迎え火に 先祖集まる お盆かな 』
季語:お盆(秋)
「迎え火」とは、お盆に自宅に帰ってくるといわれる先祖の霊を迎える目印として玄関先や庭等で焚かれる火のことをいいます。作者はご家族と一緒に迎え火を準備したのでしょう。地域によって異なると思いますが、このような風習はとても大切なものですね。
【NO.7】
『 墓参り 見様見真似の ごあいさつ 』
季語:墓参り(秋)
ご家族でお墓参りに出かけたのでしょう。「見様見真似の」という言葉から、お墓参りにあまり慣れていない作者が、周りの大人たちの様子をみながら一生懸命真似をして手をあわせている姿が想像できます。ご先祖様も喜んでいるのではないでしょうか。
【NO.8】
『 柿の葉寿司 父の好物 墓参り 』
季語:墓参り(秋)
お父さんのお墓参りにでかけた作者。お父さんは柿の葉寿司が大好きだったのですね。きっととても喜んでいらっしゃることでしょう。でもきっと、作者が来てくれたことが一番嬉しいことでとても喜んでいらっしゃるのではないでしょうか。
【NO.9】
『 墓参り じいちゃんぼくは 元気だよ 』
季語:墓参り(秋)
おじいちゃんのお墓参りに来た作者。おじいちゃんに自分が元気に過ごしていることを報告しています。とても微笑ましい光景ですね。きっと「元気で良かった」と穏やかな笑顔で作者のことを見ていることでしょう。
【NO.10】
『 墓参り 思い出すのは あの笑顔 』
季語:墓参り(秋)
大切な家族のお墓参り。じっと手を合わせながらさまざまなことを思い出したのでしょう。「あの笑顔」という言葉は胸にぐっとくるものがあります。きっと、いつもとても素敵な笑顔の方だったのでしょうね。
お盆(墓参り)について詠んだ俳句ネタ例集【後半10句】
【NO.11】
『 卒業を 亡き父に告げる 墓参り 』
季語:墓参り(秋)
卒業式の日、卒業したことを亡くなったお父さんに報告するためにお墓参りをする作者。制服姿の作者を見てとても喜んでいらっしゃることでしょう。本当は「見てもらいたかった」、「見たかった」。それぞれの想いが伝わりとても切ないです。
【NO.12】
『 年長児の リンに合わせて お盆参り 』
季語:お盆(秋)
仏壇やお墓で手を合わせるときに「チーン」と鳴らすお椀型の仏具を「リン」といいます。主に読経やお参りの時に鳴らします。年長の子どもが一生懸命リンを鳴らしているのでしょう。とても可愛らしい姿ですね。ご先祖様もあまりの可愛さに笑顔がいっぱいになっているのではないでしょうか。
【NO.13】
『 墓参り 先祖喜び 大粒の涙 』
季語:墓参り(秋)
お墓参りは、全てのご先祖様を偲び冥福を祈ります。そして日々の感謝を伝え、これからの家族の幸せや健康を願うための場でもあります。ご先祖様は作者がお参りにきてくれたことをとても喜んでくれていることでしょう。
【NO.14】
『 あの世から 笑顔見せたり お盆の夜 』
季語:お盆(秋)
お盆は、先祖供養の儀式であり、先祖の霊があの世から帰ってきて家族と共にひとときを過ごし再びあの世に帰っていく、という日本古来の行事です。お盆の夜。ご先祖様が作者のところに笑顔を見せに来てくれたのでしょう。きっといつも作者のことを見守ってくれているのではないでしょうか。
【NO.15】
『 定期船 お盆の日には 重くなる 』
季語:お盆(秋)
お盆の時期には、普段離れて暮らしている家族や親戚がたくさん集まることでしょう。「定期船」という言葉から、船でしか行くことができない地域なのでしょう。「重くなる」という表現がとても上手で分かりやすいです。
【NO.16】
『 墓参り 小さなおててで なむなむと 』
季語:墓参り(秋)
「なむなむと」という言葉がとても可愛らしいですね。小さな子どもが大人に混じって一緒に手を合わせているのでしょう。じっと静かに手を合わせる姿にご先祖様も喜んでいらっしゃることでしょう。
【NO.17】
『 暑すぎて ジューと石焼け 墓参り 』
季語:墓参り(秋)
お盆は現在の暦でいうと8月。まだまだ暑い時期です。「ジューと石焼け」という言葉から、じりじりと日差しが照らす厳しい暑さの中でのお墓参りであることがとても上手に表現されています。
【NO.18】
『 墓参り 命のつながり 今の我 』
季語:墓参り(秋)
お墓参りをしている作者。じっと手を合わせ、たくさんのご先祖様へ感謝の想いを伝えます。お墓の前で改めて感じた「命のつながり」。ご先祖様から今の自分までつながる命の重みを感じたのではないでしょうか。
【NO.19】
『 墓参り 背の丈伸びた 芒かな 』
季語:墓参り(秋)
「芒」は「すすき」と読みます。秋の七草に数えられるもので高さは2メートルに達するものあります。お墓の周りに芒が生えているのでしょう。「背の丈伸びた」という言葉から、すこし久しぶりのお墓参りなのかもしれませんね。
【NO.20】
『 ただいまと みんなが帰る お盆の日 』
季語:お盆(秋)
お盆はご先祖様が帰ってくる日です。そして同時に、離れて暮らすご家族等も集まるのではないでしょうか。たくさんの「ただいま」が響いている光景、とても穏やかであたたかい空気を感じます。「おかえり」の言葉がとても弾んでいるのではないでしょうか。
以上、お盆(墓参り)に関する学生向け俳句ネタ例集でした!
今回は、お盆(墓参り)に関する俳句を20句紹介しました。
「お盆」は、ご先祖様の霊を迎え、もてなし、送るという日本らしい風習でとても大切な行事です。
お盆は、家族の絆やつながり・縁を再確認したり、ご先祖様や故人へ想いをはせる等、普段とはすこし違うお盆ならではの特別な時間が流れているように感じます。
ご先祖様や故人を想い、一句詠んでみてはいかがでしょうか。