る俳句は、日本人にとって身近なものであり、学校等の宿題として出される機会も多いです。
しかし、「どのように俳句をつくったら良いのか分からない…」と悩んでしまう方も多いと思います。
そこで今回は、「花火」をテーマにした学生向け俳句を20句紹介していきます。
#俳句#HAIKU
にぎりあう闇の奥なる花火かな pic.twitter.com/mvZP4MyTA1
— とちおとこVerax2 (@moka36295803) July 27, 2016
手花火の
持つ手こわばる
三歳児#haiku #kigo pic.twitter.com/Yk5UlwCzHF— とんぼ (@tonbo_yu_yu) July 12, 2016
【補足】季語「花火」について
花火といえば「夏の風物詩」です。
俳句の世界では夏の季語になっていますが、実はもともとは「秋の風物詩」でした。江戸時代はお盆の行事としてはじまり、その流れで秋祭りの際に奉納目的で打ち上げられていたためです。
しかし、明治以降、7・8月頃に花火大会が開催されることが増えてきたことで、「夏といえば花火」というイメージが定着し、夏の季語として一般的になりました。
ただ、歳時記によって夏の季語とする場合と、秋の季語とする場合があります。どちらの季語とするかは詠み手側の感性で決めることができますので、面白いですね。
花火をテーマにした学生おすすめ俳句【前半10句】
【NO.1】
『 橋の上 水面に映る 花火ゆれ 』
季語:花火(夏)
橋の上から花火を見ているのでしょう。大きな空一面に広がる花火が、橋が架かっている水面にも映っている。そして波によってゆらゆらと揺れている。とても風情がある素敵な光景です。
【NO.2】
『 雨の中 花火の響く 隅田川 』
季語:花火(夏)
隅田川での花火大会の様子を詠んでいます。雨が降る中開催された花火大会。雨の音の中で響く花火の大きな音。なかなか味わうことができない貴重な経験ですね。雨と花火のコラボレーションはいつもとは違う雰囲気だったのではないでしょうか。
【NO.3】
『 花火見ゆ 見上げる空に 口が開き 』
季語:花火(夏)
夜空を見上げると、大きく広がる色とりどりの花火。思わず口が開いたままになってしまうほどの美しさ・華やかさだったのでしょう。時間を忘れて花火に見入ってしまう作者の様子が目に浮かびます。
【NO.4】
『 君の声 聞こえなくなる 花火かな 』
季語:花火(夏)
「君」と一緒に花火大会にでかけた作者。「君」は作者にとって、とても大切な人であり大好きな人なのでしょう。大きな音とともに夜空にあがる打ち上げ花火。その音で「君」の声が聞こえなくなってしまい、じっと見つめている作者の様子が目に浮かびます。映画のワンシーンのような素敵な光景ですね。
【NO.5】
『 とんでくる 火薬のにおい 夏の夜 』
季語:夏の夜(夏)
花火大会にでかけた作者。たくさん打ちあがる美しい花火とともに辺り一面に広がる火薬のにおい。「火薬のにおい」はまさに夏の香りである、そのように感じたのではないでしょうか。
【NO.6】
『 揚花火 自習室から 見る空よ 』
季語:揚花火(夏)
「揚花火」とは打ち上げ花火のこといいます。作者は受験生で自習室にて勉強中。そこで大きな花火の音が聞こえてきたのでしょう。自習室から見上げた空に広がる大きな打ち上げ花火。美しい花火は、勉強の合間の良い気分転換になったのではないでしょうか。
【NO.7】
『 出てきたよ いろんな色が 花火から 』
季語:花火(夏)
花火の色は、火薬に含まれる金属の違いによって決まるそうです。 同じ金属でも、燃えるときに出る炎の色は異なり、例えばナトリウムは黄色、ストロンチウムは赤色、銅は青色になります。花火を見ていて、「いろんな色が」あることに気づいたのでしょう。花火を見ていた作者の素直な感想、想いが込められているとても可愛らしい一句です。
【NO.8】
『 庭先の バケツいっぱい 花火後 』
季語:花火(夏)
夏の夜、皆で庭先にて花火を楽しんだのでしょう。手軽に購入することができ、皆で楽しむことができる手持ち花火。とても盛り上がったのではないでしょうか。バケツがいっぱいになるほど楽しんだ花火。全て終わってしまい、終わった花火でいっぱいのバケツを見ると少し寂しい気持ちになりますね。
【NO.9】
『 どんと来て ひゅるひゅるぱっと 揚花火 』
季語:揚花火(夏)
打ち上げ花火の様子をとてもテンポよくリズムの良い言葉で表現しています。花火の様子がとてもよく伝わります。「ひゅるひゅるぱっと」という表現がとても良いアクセントになっており、可愛らしいです。
【NO.10】
『 孫の持つ 線香花火に 手を添えて 』
季語:線香花火(夏)
お孫さんと一緒に花火を楽しんだ作者。花火を持つ手がおぼつかないお孫さんと一緒に線香花火をする様子はとても微笑ましいですね。「手を添えて」という言葉が素敵です。とても穏やかなあたたかい時間を感じる一句です。
花火をテーマにした学生おすすめ俳句【後半10句】
【NO.11】
『 喜んで 児もジャンプする 花火かな 』
季語:花火(夏)
花火があがると、とても楽しくて嬉しくてテンションがあがる。「児もジャンプする」ほど喜ぶ花火は、本当に多くの人の心をひきつけるものといえるのではないでしょうか。「児も」ということは「大人も」もちろん同じですよね。
【NO.12】
『 消えそうな 線香花火 しみじみと 』
季語:線香花火(夏)
線香花火の小さな灯りをじっと見つめている作者。そっと灯りを消すかのようにすーっと消えていく線香花火の終わりは、とても切ない気持ちになりますよね。「しみじみと」という作者の想いに共感する人がたくさんいるのではないでしょうか。
【NO.13】
『 寝かしつけ ドンと花火で また泣くや 』
季語:花火(夏)
赤ちゃんの寝かしつけをしているのでしょう。やっとやっと眠りについた赤ちゃんが、大きな花火の音に驚いて起きてしまった様子が想像できます。「はぁ…」と大きなため息とともに悲しみに包まれている作者の姿が目に浮かびます。
【NO.14】
『 大花火 スカイツリーと 背比べ 』
季語:花火(夏)
夏の夜空に大きく打ち上がった花火。スカイスリーが見える場所での花火だったのでしょう。スカイスリーと花火のコラボレーションはなかなか貴重で素敵な光景ですね。背比べ、どちらが大きかったのでしょうか。
【NO.15】
『 告知なく 打ち上げられし 花火かな 』
季語:花火(夏)
事前のお知らせがなく打ち上げられた花火。大きな音に驚きつつも、夏の夜空に色鮮やかに広がる大きな花火の美しさに心を奪われたのではないでしょうか。サプライズの花火、思いもよらない素敵なプレゼントですね。
【NO.16】
『 パッと散る 線香花火の 潔さ 』
季語:線香花火(夏)
小さくパチパチと燃えていく線香花火。持ち方によってはとても長く美しい灯りを楽しむことができます。しかし突然「パッと散る」ようなことも。悲しくて切ないことですが、それを「潔い」と表現する作者のセンスが素晴らしいです。
【NO.17】
『 夏の夜 空いっぱいに 花火かな 』
季語:花火(夏)
夏といえば花火…、日本の夏の風物詩ですね。夏の夜空にたくさんあがる花火は、飽きることなくいつまでも見ていることができるのではないでしょうか。「空いっぱいに」広がる花火は幸せな気持ちになりますね。
【NO.18】
『 子どもらと ねずみ花火が 駆け回り 』
季語:ねずみ花火(夏)
「ねずみ花火」とは、小さな花火で、火をつけると火の勢いでネズミのように地面をすばやく回転するように動く花火のことをいいます。くるくるとどこに行くのか分からないような動きをするねずみ花火はとても盛り上がるのではないでしょうか。ねずみ花火の動きに大笑いしながら、楽しそうに一緒に走り回っている子どもたちの姿が想像できます。
【NO.19】
『 夏の夜 花火が道を てらしてる 』
季語:花火(夏)
夏の夜空に大きく色鮮やかに広がる花火。その花火の明るさが道を照らす灯りのような役割になっているのでしょう。皆が歩く道を照らす花火の灯り、とても素敵な光景ですね。
【NO.20】
『 ひとつ消え またひとつ咲く 花火かな 』
季語:花火(夏)
次から次へと大きな空に打ちあがる花火。広い空一面を覆いつくすほどたくさんの花火があがっている光景はとても美しく素敵ですね。「ひとつ消え またひとつ咲く」という表現がとても趣があります。消えてしまう花火と新たに咲く花火。短い時間に起こる花火ならではの光景は奥深いですね。
以上、花火をテーマにした学生おすすめ俳句でした!
夏の夜空に大きく広がる色鮮やかな花火は、時間を忘れてしまうほど夢中になる美しさです。
また、手軽に家庭等で楽しむことができる小さな手花火や線香花火は、大きな打ち上げ花火とはまた違った趣と美しさがあります。
日本人にとって「花火」はとても身近な存在であり、多くの人に愛されているものだと思います。
花火を見てどのように感じましたか?
「俳句を作らなくてはいけない…」と思うと難しく感じてしまうかもしれませんが、今まさに感じたことをそのまま書いてみてはいかがでしょうか。
是非楽しみながら、俳句をつくってみてください。