俳句は五七五の十七音に季節を表す季語を詠んで風景や心情を表す文学です。
俳句のはじまりは江戸時代からと言われており、現在でも修学旅行などの行事で、記念として俳句を詠む宿題が出る学校も多いほど浸透しています。
今回は、修学旅行で「ホテルに宿泊した際の思い出」を詠む時に参考になる俳句を20句紹介します。
ホテル着いて修学旅行楽しくなって来たわ🤘🤘🤘 pic.twitter.com/jbc1FZj0nr
— はすた (@yuusukehasshi) October 30, 2017
ホテルでの修学旅行の思い出俳句ネタ例集【前半10句】
【NO.1】
『 春の朝 旅館の二階で すずしんだ 』
季語:春(春)
旅先では起床予定の時間より早く目覚めてしまう事もあります。この句では春の朝というまだ涼しい時間帯の空気をひっそりと楽しんでいる様子を詠んだ句です。
【NO.2】
『 暖かや ホテルの庭の 奥深く 』
季語:暖か(春)
ホテルには散策できる庭がついている場所もあります。自由時間にゆっくりと春の庭を散策している様子が「奥深く」から伺えます。
【NO.3】
『 朧月夜のホテルに 置いてある聖書 』
季語:朧月夜(春)
ホテルには聖書が置いてあることが多く、引っ張り出して眺めた経験のある方も多いのではないでしょうか。外を見ると朧月夜のぼんやりとした光が差し込んでいて、どこか非日常的な体験を感じさせます。
【NO.4】
『 雛並ぶ 華やぐロビー ホテル入る 』
季語:雛(春)
ホテルによってはひな祭りの期間にロビーに雛人形を置く場所があります。「華やぐ」とあることから家庭でよく見る2段のものではなく、最大の7段の雛人形だったのかもしれません。
【NO.5】
『 遠景の 島も薄紅 花の宿 』
季語:花の宿(春)
遠くに見える島も桜が咲いて薄紅に見える様子を詠んでいます。「花の宿」とは花の咲いている家、もしくは旅館となっており、この俳句では後者を詠んだ句です
【NO.6】
『 宿の夜 暑い暑いと ふとんける 』
季語:暑い(夏)
ホテルや旅館ではふだんと違う寝具を使うため、暑さや寒さを感じやすくなります。熱帯夜に布団を蹴り出して眠る子供たちの姿が見えるような一句です。
【NO.7】
『 怪談を 話した人が おばけかな 』
季語:おばけ/幽霊(夏)
夜中に見回りの教師からこっそり隠れて話をするのも旅行の醍醐味でしょう。怪談を話した人がお化けかもしれないと気がついた、夜中の話だけに夢か現かわからない面白い感想の句です。
【NO.8】
『 一日目 宿に雷 落ちにけり 』
季語:雷(夏)
修学旅行の1日目から天候が悪かったのか、宿に雷が落ちた様子を詠んでいます。実際に落ちたかはわかりませんが、相当な轟音が鳴り響いたことでしょう。
【NO.9】
『 古都の夜 おに火のごとき 蛍かな 』
季語:蛍(夏)
「鬼火」とは雨が降る夜中に舞う正体不明の光のことですが、ここでは夜に舞う蛍の例えとして使っています。古都と鬼火というどこか神秘的な取り合わせを詠んだ句です。
【NO.10】
『 郭公(かっこう)の こだま背にして 発つホテル 』
季語:郭公(夏)
朝にホテルをチェックアウトする時に、見送りのようにカッコウの鳴き声がこだまとなって響いた様子を詠んでいます。旅の終わりを感じている寂しさが、「こだま」という直接の鳴き声以外を詠んでいることからから伺える句です。
ホテルでの修学旅行の思い出俳句ネタ例集【後半10句】
【NO.11】
『 高原の 宿の網戸の 夜風かな 』
季語:網戸(夏)
高原の夜は平地よりもかなり涼しく、窓を開けると心地よい風が入ってきます。夜網戸越しに夜風を感じる静かな夜が想像できます。
【NO.12】
『 秋の夜 獣になって 走りけり 』
季語:秋の夜(秋)
この句は修学旅行で貸し切ったフロアの廊下を走っている様子を詠んだ句です。見回りの教師から逃げているのか、「獣」と称するほど楽しそうに走っています。
【NO.13】
『 秋の夜の 潮騒海岸 ホテルまで 』
季語:秋の夜(秋)
海辺のホテルに宿泊しているのか、潮騒の音がホテルまで届いています。普段とは違う自然音に、旅行中であることを強く意識している一句です。
【NO.14】
『 山影が 銀河縮める 谷の宿 』
季語:銀河(秋)
山の影が頭上に広がる天の川を遮っている様子がよく想像できる一句です。明るい天の川と真っ暗な山の対比が写真のように浮かんできます。
【NO.15】
『 萩の花 かき分けていく 山の宿 』
季語:萩(秋)
萩は白や赤紫の花を咲かせる植物です。宿に着くまでに萩が植えられた道を歩いてどんな宿だろうとワクワクしている様子を詠んでいます。
【NO.16】
『 カードキー やってしまった 隙間風 』
季語:隙間風(冬)
この句はオートロックの部屋なのにカードキーを室内に置き忘れてしまった、というよくある失敗を詠んだ句です。作者の心情に寄り添うように、どこかから隙間風が吹いてきています。
【NO.17】
『 星冴(さ)ゆる 夜更かし計画 あと5分 』
季語:星冴ゆる(冬)
修学旅行では消灯時間が決められていて、以降は見回りの教師が巡回するというパターンが多いでしょう。そんな中で、夜空の星を見ながらどう夜更かししようか計画を立てている微笑ましい様子を詠んでいます。
【NO.18】
『 寒に入る 結露滴る 窓の宿 』
季語:寒に入る(冬)
「寒に入る」とは1月上旬の季節のことです。室内の暖房で暖かい空気と外の極寒の寒さによって、窓に結露が発生してしまっています。
【NO.19】
『 満室の ホテル寒灯 並びけり 』
季語:寒灯(冬)
「寒灯(かんとう)」とは、冬の厳しい冷え込みの中の寒々とした光のことです。自由時間にホテル街を散策すると、どこも満室の看板が光っていてもの寂しげな雰囲気を感じさせます。
【NO.20】
『 茶の花を しんと挿したる 星の宿 』
季語:茶の花(冬)
「茶の花」とは冬に咲く小さい白い花です。そんな茶の花が一輪挿しなどの花瓶に挿されていることで、まるで白い花が星のように見えた様子を詠んでいます。
以上、『ホテルでの思い出(修学旅行)』をテーマに詠まれた俳句20選でした!
今回は、『ホテルでの思い出(修学旅行)』をテーマに詠まれた俳句を20句紹介しました。
ホテルや旅館という違いはあれど、いつもとは違う非日常がよく題材に選ばれている印象です。
また、引率の先生方とのやり取りの句も多いため、修学旅行で俳句を作る時は宿泊時のエピソードも詠んでみてはいかがでしょうか。