俳句は五七五の十七音に季節を表す季語を詠み込む文学で、江戸時代に始まりました。
現在でも修学旅行などの行事で記念や宿題として俳句を詠む学生も多いほど浸透している文化です。
今回は、「広島」への修学旅行で俳句を詠む時に参考になるオリジナル俳句を20句紹介します。
8月6日俳句季語
広島忌黙祷に光るものあり広島忌
もくとうに ひかるものあり ひろしまき
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写真 ネットより拝借
・ pic.twitter.com/ZWi3eN4T7D— 海翔 kaito (@itumo_aozora) August 5, 2015
広島県・修学旅行の思い出俳句ネタ例集【前半10句】
【NO.1】
『 八月の 広島の灯と 波の音 』
季語:八月(秋)
広島といえば8月6日を連想する人も多いでしょう。平穏な生活と波の音が響くことで平和を噛みしめています。
【NO.2】
『 秋晴や 安芸の宮島 輝けり 』
季語:秋晴(秋)
厳島神社のある安芸の宮島には「弥山」という名勝があり、紅葉で有名です。秋の穏やかな日差しの中で、紅葉や大鳥居、瀬戸内海が光り輝いて見える様子が目に浮かぶ句です。
【NO.3】
『 平和の灯 消さないように 秋の雨 』
季語:秋の雨(秋)
広島平和記念公園には「平和の灯」というモニュメントがあります。全国各地から集められた火や「原爆の火」から分火された火などがあり、雨が降ると消えてしまわないかと心配している様子を詠んだ句です。
【NO.4】
『 広島に 夾竹桃(きょうちくとう)が よみがえる 』
季語:夾竹桃(夏)
原爆投下後の広島は雑草も生えないと称されましたが、夾竹桃が最も早く開花したことで有名です。現在でも広島市の花になっていて、復興のシンボルとされています。
【NO.5】
『 どこよりも 暑さ感じた 被爆地に 』
季語:暑さ(夏)
原爆は8月6日という真夏に投下されました。被爆地に足を踏み入れると、いつもより一層暑く感じてしまったという感受性にあふれた一句です。
【NO.6】
『 広島の ドームに雪は 積もらない 』
季語:雪(冬)
原爆ドームはドーム部分が枠組みしか残っていません。そのため雪が降ってもドームに積もることがなく、雪が積もっている周囲の建物と比べて異質さが際立ちます。
【NO.7】
『 宮島は 紅葉きれいだ 鳥居色 』
季語:紅葉(秋)
厳島神社の大鳥居は美しいオレンジ色をしています。この句ではあえて「鳥居色」と表現することで、オレンジの紅葉の美しさを表現している面白い一句です。
【NO.8】
『 秋空や 潮満ち光る 厳島 』
季語:秋空(秋)
秋の青空の太陽に照らされる瀬戸内海が見えるような表現です。厳島神社の大鳥居や社殿、宮島など余すことなく名勝の美しさを伝えています。
【NO.9】
『 霊火堂 消えずの榾火(ほたび) 宮島に 』
季語:榾火(冬)
「榾火(ほたび)」とは焚き火などで燃やされている火のことです。「霊火堂(れいかどう)」は宮島にある弥山の中腹の御堂で、1200年前に弘法大師が興した火と伝えられている「消えずの火」が灯されている場所です。
【NO.10】
『 宮島の 風のはじめや 燕(つばめ)の子 』
季語:燕の子(夏)
初夏の爽やかな風に乗って巣立った燕の子たちが飛んでいる様子を詠んだ句です。宮島を飛び回る燕たちに夏の始まりを感じています。
広島県・修学旅行の思い出俳句ネタ例集【後半10句】
【NO.11】
『 秋うらら 安芸(あき)の宮島 船が行く 』
季語:秋うらら(秋)
「秋うらら」とは秋のよく晴れた日を表す季語です。穏やかな晴天の下で、宮島を観光する船が行き交うのどかな風景を読んでいます。
【NO.12】
『 のどかさや 宮島の鹿 まどろみて 』
季語:のどかさ(春)
宮島では、奈良公園のように野生の鹿が生息しています。観光客も多く訪れる中で我関せずとまどろんでいる様子に春の陽気を感じている一句です。
【NO.13】
『 狂おしい 狂おしきかな 原爆ドーム 』
季語:無季
原爆ドームは広島に投下された原爆の象徴的なモニュメントです。凄惨な被害の様子を伝え聞き、「狂おしい」と2回繰り返すことで言葉にできない感情を込めた俳句になっています。
【NO.14】
『 鯛網の 大漁旗や 鞆の浦(とものうら) 』
季語:鯛網(春)
「鯛網(たいあみ)」とは鯛の漁に使うための道具で、春の季語です。鞆の浦は鯛で知られている場所で、多くの船が掲げる大漁旗が翻る様子は名物になっています。
【NO.15】
『 石の灯が 竜馬を照らす 鞆の浦 』
季語:無季
鞆の浦は坂本龍馬の「いろは丸」が沈没事故を起こしたことで有名な場所です。また、常夜燈と呼ばれる江戸時代の石製の灯台が立っており、現在でも常夜燈には光が灯されています。
【NO.16】
『 尾道(おのみち)の 古寺つなぐ 和歌の道 』
季語:無季
尾道市にある「千光寺」は1200年前にできたと言われています。そんな古寺の参道には、尾道ゆかりの歌人や作家の和歌や俳句の石碑がある「文学のこみち」があり、文化を体感しながら参拝へ向かうことが可能です。
【NO.17】
『 尾道の 坂ゆるゆると 猫の恋 』
季語:猫の恋(春)
尾道は「坂の街」、「猫の街」と呼ばれるほど坂と猫が多い街です。坂をゆるゆるとのぼっている最中に戯れる猫を見た時の様子を詠んでいます。
【NO.18】
『 厳島 微睡(まどろ)む神使が 居着く島 』
季語:無季
宮島の鹿は厳島神社の神様の使いとされて大事に保護されています。初句と結句が同じ「いつくしま」となる読みが面白い一句です。
【NO.19】
『 秋澄むや 弥山(みせん)の岩へ 空の息 』
季語:秋澄む(秋)
宮島の弥山の山頂には大きな岩や奇妙な形をした岩が多くあり、古くから名勝地として知られていました。そんな頂上の山へ、澄んだ秋の風がまるで息のように吹きかけられています。
【NO.20】
『 広島と 四国を繋ぐ 架け橋よ 』
季語:無季
尾道市からは四国の愛媛県今治市を結ぶ「しまなみ海道」という多くの橋がかかる道があります。尾道市側からのスタートは「新尾道大橋」なので、その橋を見ながらここから四国へ行けるのだと感慨深く眺めている様子を詠んだ句です。
以上、『広島県(修学旅行の思い出)』をテーマに詠まれた俳句20選でした!
今回は、『広島県(修学旅行の思い出)』をテーマに詠まれた俳句を20句紹介しました。
有名な原爆ドームや厳島神社のほかにも、しまなみ海道で知られる尾道など数多くの名所が俳句に詠まれています。
実際に起こった歴史上の出来事や、目撃した自然などその場所に合った俳句を詠んでみましょう。