俳句は五七五の十七音に季節を表す季語を詠む文学で、江戸時代に始まりました。
俳句は現在でも親しまれており、国語の授業で長期休暇や修学旅行のイベントの後に宿題として出されることもあるでしょう。
しかし、基本的なルールやコツを掴んでいないと「作りにくい…」と苦手に思う人も多くいます。
俳句と短歌を作る宿題難しい☹
— 奏汰 (@kanata603) November 26, 2013
俳句を作る課題に四苦八苦
意外と難しいです— 実 (@jituha_minoru) May 27, 2013
そこで今回は、お正月をテーマにした俳句の作り方について、注意点やオリジナル俳句を挙げて解説していきます。
目次
俳句を作る前に知っておきたい!お正月(新年)の特徴
俳句の世界での「お正月」とは、元日である【1日から】小正月と呼ばれる【15日まで】の期間を指します。
この期間は「松の内」とも呼ばれ門松などの松飾りがある期間と言われていますが、関東では7日まで、関西では15日までと差があるので、基本的には「元日から小正月まで」と覚えておくといいでしょう。
【例】お正月(新年)の季語
元日・正月・三が日・松の内・小正月・去年・新年・年賀状・初春・初空・初日・初富士・初夢・買初・鏡餅・書初・獅子舞・初詣・雑煮・お年玉・七草粥・門松・羽子板・歌留多(かるた)・若水・数の子・伊勢海老・若菜
お正月(新年)の俳句の作り方
(1) わかりやすいお正月の季語を選ぼう
お正月の季語には「二日」「三日」「七日」など、日にちだけで季語になるものがあります。
しかし読んですぐにお正月を連想するのが難しいため、まずはわかりやすい季語で詠んでみましょう。
【例】初夢や 富士鷹茄子 どれも出ず
この俳句は「初夢」と指定している上に「一富士二鷹三茄子」を省略して詠んでいるため、初夢に縁起物が出なかったと残念がっている様子がすぐにわかります。
(2) 「お正月」という日の印象を意識しよう
お正月は1年の始まりを祝う日です。
年賀のあいさつや縁起物、お祭りの行事など、「おめでたい」という印象があります。
また、お年玉や初詣、初売りなど「楽しい」という印象や、1年の始まりとして抱負を語る「決意」などがお正月の印象として強いでしょう。
【例】お正月 よきことばかり ありそうな
この句はいつもと変わらない一日であるようで、お正月なのだから何か良いことが起きそうだと期待している様子が読み取れる句です。
(3) 地域ならではの風習や行事を詠んでみよう
お正月には各地でさまざまな行事が行われます。
他の地域ではあまり知られていない行事が季語になることも多く、「粥占」などのいろいろな神社で行われている神事から、「初薬師」「初天神」など特定の寺社で行われる祭礼まで、多岐に渡っているのが特徴です。
【例】福あれと 十日戎(とおかえびす)や 福娘
この句で詠まれている「十日戎」とは主に関西地方で行われる行事です。
お正月(新年)の俳句を創るためのポイントや注意点
(1) 説明文にならないようにしよう
お正月の季語は行事や食べ物、飾り付けなど普段は見ないようなものが多くあります。
そのため、季語の説明に終始してしまう説明文のような俳句が出来上がってしまうこともあり、注意が必要です。
(2) 季重なりに気をつけよう
「雪」や「寒い」など冬の季語と一緒にお正月の季語を詠むと、「季重なり」になります。
どの出来事や感情を詠みたいかブレてしまうため、何をどんな風に詠みたいかしっかりと意識して季語を選びましょう。
参考になる!お正月(新年)の素人俳句【おすすめ5選】
【NO.1】
『 元日や 普通の日とは 様変わり 』
季語:元日(新年)
【NO.2】
『 信号の 前まで並ぶ 初詣 』
季語:初詣(季語)
【NO.3】
『 お年玉 雪と同じに 溶けにけり 』
季語:お年玉(新年)
【NO.4】
『 初夢や 解読不能で 悩む朝 』
季語:初夢(新年)
【NO.5】
『 七草粥 塩をひと振り 味決まる 』
季語:七草粥(新年)
さいごに
今回は、お正月の俳句を作るためのルールやコツ、季語の種類、オリジナル俳句5選を紹介しました。
お正月の季語は冬の季語と紛らわしいところがあるので、歳時記を確認するなど注意が必要です。
さまざまなイベントや特別な食事など分かりやすいものもあるので、自分の家らしいお正月の風景を詠んでみてください。