「金木犀(きんもくせい)」は秋を代表する良い香りのする花で、秋の季語です。
垣根によく使われるため、開花時には遠くからでも良い香りがすることで知られていて、俳句でもよく題材として使われます。
今回は、そんな「金木犀」を季語に含む小学生/中学生向け俳句を20句紹介していきます。
キンモクセイは中国原産の常緑性樹木。秋口、オレンジ色に群生する小花には強い芳香があり、さまざまな飲食物に使われる。 pic.twitter.com/n2gcUEUVAm
— gurucchi (@gurucchi) September 27, 2016
金木犀 蜜柑色に 匂うかな♪ #くま句 #haiku pic.twitter.com/6335RA2jBM
— クマの『論点』 #みんくま草 (@greenminkuma) October 16, 2015
オレンジの 絨毯広げ 金木犀 pic.twitter.com/SWmPybxXVJ
— 圭人 (@ayako_haiku) October 10, 2013
小学生向け!金木犀をテーマにした俳句ネタ集【前半10句】
【NO.1】
『 通り過ぎ 呼びとめられて 金木犀 』
季語:金木犀(秋)
金木犀の花の前を通り過ぎると、まるで呼び止められたように香りが漂ってきたという様子を詠んでいます。香りを擬人化することで思わず振り返らずにはいられない芳香を強調している一句です。
【NO.2】
『 ジョギングは 金木犀の 香を吸って 』
季語:金木犀(秋)
ジョギングしている時に金木犀の花が咲いている場所を通るため、花の香りを吸いながら走っている様子を詠んだ句です。金木犀は遠くからでも香りがするため、かなりの距離を花の香りと共に走っているのでしょう。
【NO.3】
『 金木犀 ふわっとイライラ 溶けていく 』
季語:金木犀(秋)
金木犀の甘い香りでイライラしていた気持ちがふわりと溶けていく心情を詠んでいます。「ふわっと」と表現することで、ふと顔を上げた先から漂う香りに思わず苛立ちを忘れてしまった様子がよく表されている句です。
【NO.4】
『 きんもくせい きれいにちって うれしそう 』
季語:きんもくせい(秋)
金木犀の花は花の形を保ったまま散るため、散った様子を詠む俳句も多くあります。この句でも小さな可愛らしい花のまま散っている様子を見て「うれしそう」と表現しています。
【NO.5】
『 圧巻の 金木犀の 並ぶ道 』
季語:金木犀(秋)
金木犀は垣根によく使われる木のため、場所によっては金木犀がずらりと道に並んでいることがあります。この句は「圧巻」と表現されるほどなので、一面がオレンジの花でいっぱいだったのでしょう。
【NO.6】
『 散歩道 こっちだよって 金木犀 』
季語:金木犀(秋)
金木犀の香りが散歩道はこちらだよと誘っている様子を詠んだ句です。良い香りがする方向につい足を伸ばしたくなる秋の心地よい散歩の様子が浮かんでくるような一句になっています。
【NO.7】
『 金木犀 マスク外して 深呼吸 』
季語:金木犀(秋)
金木犀の香りをマスクを外して深呼吸して吸い込んでいる様子を詠んだ句です。マスク越しではなく直に香りを感じたいという心情が伝わってきます。
【NO.8】
『 きんもくせい 小さい花が ほしのよう 』
季語:きんもくせい(秋)
先程の句は散った花を詠んでいましたが、こちらは咲いている状態の花を星に例えている一句です。4枚に分かれているように見える小さな花がたくさん咲いている様子はさながら星空のように見えます。
【NO.9】
『 きんもくせい 小鳥もよりみち していくよ 』
季語:きんもくせい(秋)
金木犀の香りに誘われた小鳥を、思わず寄り道しているようだと例えた一句です。金木犀の垣根の上にとまっている小鳥を見つけたのでしょう。
【NO.10】
『 通学路 金木犀が 通せんぼ 』
季語:金木犀(秋)
通学路に金木犀の垣根がまるで通せんぼするように見えてくる、という様子を詠んでいます。実際には大木にはならないので、通学路の突き当たりにある家の垣根が金木犀なのでしょう。
中学生向け!金木犀をテーマにした俳句ネタ集【後半10句】
【NO.11】
『 甘やかに 香る花風 金木犀 』
季語:金木犀(秋)
金木犀の花の香りを「花風」と称している風流な一句です。春の桜の花びらではなく、秋の金木犀の香りが散っている様子をよく表しています。
【NO.12】
『 午後三時 金木犀と 自転車と 』
季語:金木犀(秋)
午後3時という昼下がりに金木犀の花と自転車がある、という風景からいろいろと想像がふくらみます。これからどこかへ出掛けるのか、サイクリングなどをし終わったあとなのか、名詞を並べることでさまざまな解釈ができる句です。
【NO.13】
『 金木犀 風に吹かれて 花の塚 』
季語:金木犀(秋)
金木犀の花が散り、塚のようになっている様子を詠んでいます。ただ地面に落ちただけではなく風によって運ばれて1箇所にたまっている様子が浮かぶ表現です。
【NO.14】
『 異国でも 金木犀は 同じ香り 』
季語:金木犀(秋)
異国で金木犀を見かけた時に、日本の秋を思い出した一句です。日本ほど多くはありませんが欧米でもたまに見かけるようで、異国情緒と香りから感じる日本の秋が面白い対比になっています。
【NO.15】
『 街中の 風も黄色に 金木犀 』
季語:金木犀(秋)
金木犀の香りを花の色と同じ黄色に例えているユーモアのある表現です。街全体に金木犀の香りが広がっている様子が浮かんできます。
【NO.16】
『 街角の 風を頼りに 金木犀 』
季語:金木犀(秋)
金木犀の香りは離れたところからもわかるほど強いものです。この句では街角で香りを嗅いで、どこに金木犀があるのか探検に出かけている様子を詠んでいます。
【NO.17】
『 金木犀 星なき夜に 降り注ぐ 』
季語:金木犀(秋)
金木犀の花を星に例えた一句です。昼間の鮮やかなオレンジ色ではなく夜の様子を詠んでいることから、ほのかな光に照らされた花の様子が浮かんできます。
【NO.18】
『 十月は風を 金木犀と呼ぶ 』
季語:金木犀(秋)
金木犀が咲く10月に吹く風自体を金木犀と呼んでしまおうという面白い句です。風によって香りがどこにでも漂っているため、風自体を花の名前に例えています。
【NO.19】
『 夢にまで 金木犀の 香りかな 』
季語:金木犀(秋)
夢の中で香りを感じるのはめずらしいことですが、作者は夢の中でまで金木犀の香りを感じたと詠んでいます。窓を開けてうたた寝していた際に外から入ってきた風にのって香りが届いたのかもしれません。
【NO.20】
『 キンモクセイみたいに 好かれるひとだった 』
季語:キンモクセイ(秋)
金木犀は秋の代表的な花として、また良い芳香を放つ花として好かれています。そんな金木犀のように誰にでも好かれる人だったと回想している青春の一句です。
以上、金木犀をテーマにした学生向け俳句でした!
今回は、金木犀を季語に含むオリジナル俳句を20句紹介してきました。
金木犀の開花を迎えるとどこからともなく漂ってくる香りで秋の訪れを実感する人も多いでしょう。
咲いていることに気がついたら、ぜひ金木犀をテーマに一句詠んでみてください。