吹奏楽部は学校の部活動としてとても人気のある部活動です。
吹奏楽部に入っていた方も多いのではないでしょう。現役の吹奏楽部員、または学生時代の吹奏楽部、皆さんはどのような思い出があるでしょうか。
今回は、「吹奏楽(部活)」をテーマにした俳句を20句紹介していきます。
吹奏楽冬に似合う選挙の日 #haiku pic.twitter.com/vLKF8bt7vd
— 栗山 (@kuriyama1youth) December 14, 2014
吹奏楽(部活)をテーマにした学生俳句ネタ【前半10句】
【NO.1】
『 ティンパニの 音のとどろき 秋暑し 』
季語:秋暑し(秋)
「秋暑し」とは立秋が過ぎても厳しい暑さが続くこと・残暑のことをいいます。コンクールに向けて日々練習を重ねるティンパニー担当の作者。厳しい暑さを吹き飛ばすかのような、ティンパニーの強く大きく鳴り響く音が音楽室に響いている様子がよく伝わります。
【NO.2】
『 初雷や 吹奏楽部に 割つて入る 』
季語:初雷(春)
「初雷」とは、立春後春になって初めて鳴る雷のことをいいます。吹奏楽部の音色をさえぎるかのように音楽室に入り込んできた大きく鳴り響く雷の音。吹奏楽部の演奏の音と雷の音を上手く対比させて上手に表現しています。
【NO.3】
『 金賞に 大歓声の 夏休み 』
季語:夏休み(夏)
夏休み中もコンクールのため、一生懸命練習に励む作者と吹奏楽部の生徒たち。吹奏楽部コンクールでの金賞は今まで積み重ねてきた努力が実った結果でしょう。「大歓声の」という言葉から、生徒たちが大興奮で喜ぶ姿が目に浮かびます。
【NO.4】
『 楽譜には メモがぎっしり 花野風 』
季語:花野風(秋)
「花野風」とは、花がたくさん咲いている野原、特にすすき等の秋の草花が咲く野原のことをいい、秋の季語になっています。吹奏楽部員として日々練習を重ねる作者。毎日の練習の中での気付きやアドバイス等、楽譜に書き込んでいるのでしょう。「メモがぎっしり」という言葉から、たくさんの言葉をしっかりと書き留めていることが想像できます。
【NO.5】
『 パート練 なんの曲だか 分からない 』
季語:なし
吹奏楽部の中で打楽器を担当する作者。打楽器チームだけでのパート練習を始めると、「なんの曲だか 分からない」状態になるという、吹奏楽部あるあるのような一句です。ユーモアのある言葉でとても上手に表現しています。
【NO.6】
『 芋嵐 吹奏楽部 音高し 』
季語:芋嵐(秋)
「芋嵐」とは、芋の葉や茎を倒してしまうくらいの強さの秋の強風のことをいいます。秋風が強く吹く中、吹奏楽部の練習をしているのでしょう。強風の音に負けないくらいの楽器の音が高く響いている様子が上手に表現されています。
【NO.7】
『 秋薔薇 チューバに映る 演奏会 』
季語:秋薔薇(秋)
「秋薔薇」とは、秋に咲く薔薇の花で初夏の頃に咲くものよりも大きさも小さく色もあまり良くないと言われています。バラ園での演奏会に行った作者。自分が担当するチューバに薔薇が綺麗にうつっていた様子を表現しています。季節的に薔薇の時期ではないのかもしれませんが、作者にとってとても美しく咲く花が心に深く残っているのでしょう。
【NO.8】
『 吹奏楽部 朝練から パワフルで 』
季語:なし
吹奏楽部の朝練の様子を詠んでいます。「パワフルで」という言葉から、吹奏楽部の生徒たちが朝から気合いを入れて元気いっぱいに練習に励んでいる様子が目に浮かびます。「パワフルで」という言葉もユーモアがあり、とても良いアクセントになっているように思います。
【NO.9】
『 冬の薔薇 トランペットに 注すオイル 』
季語:冬の薔薇(冬)
吹奏楽部でトランペットを担当していた作者。冬の寒い時期は、トランペットの滑りが悪くなってしまうそうです。冬の時期は毎日のようにトランペットにオイルを注していたことを思い出しながら詠んだ一句です。寒い時期はより一層楽器の手入れが大変になることがとても伝わります。
【NO.10】
『 青春を 音に託して 悔いはなし 』
季語:青春(春)
学生時代3年間吹奏楽部に所属した作者。「青春」は学生時代をさし、その全ての時間を音に託した。吹奏楽部での活動に全てを注ぎ一生懸命練習に励んだことに悔いはない、と言い切る作者はとてもかっこいいです。充実した時間を過ごしたことを素敵な言葉で上手に表現しています。
吹奏楽(部活)をテーマにした学生俳句ネタ【後半10句】
【NO.11】
『 練習を 積み重ねてこそ 良い音が 』
季語:なし
吹奏楽は、一人が上手でも良い音・良い曲を奏でることはできません。皆で心を合わせることがとても大切です。そして、なによりも地道に毎日努力を積み重ねることが良い音や良い曲につながる、ということを感じる一句です。
【NO.12】
『 夕焼けに 仲間と響かせ 音楽室 』
季語:夕焼け(夏)
夕方の時間、とても綺麗で美しい夕焼けが空一面に広がっている。その夕焼けに向かって吹奏楽部の生徒たちの音色が美しく響いている光景が想像できます。夕焼けは生徒たちの音色を楽しんで聴いてくれていたかもしれませんね。
【NO.13】
『 夏の日に 汗流しつつ ラッパ吹 』
季語:汗(夏)
厳しい暑さが続く夏の練習。夏休み期間中の吹奏楽部の練習でしょうか。どの楽器も同じ感じなのかもしれませんが、ラッパを吹くのはとても体力をつかうそうです。作者が一生懸命練習をしているからこそ、汗がふきだすのでしょう。「汗をながしつつ」必死に練習を積み重ねる作者の努力が良い形につながることを願うばかりです。
【NO.14】
『 春暑し 二トン車に積む ティンパニー 』
季語:春暑し(春)
「春暑し」とは、季節の変わり目の時期、とても良い天気に恵まれ気温が高くなり、汗ばむほどの暑さを感じることをいいます。演奏会のため2t車にティンパニーを積み込む作業をしていた作者。気温が高くなり、汗をかきながら一生懸命運んでいる様子が想像できます。大きな楽器を運ぶことはとても大変ですね。
【NO.15】
『 大会に 向けて頑張る 蝉時雨 』
季語:蝉時雨(夏)
大きな大会に向けて夏休み中も練習に励む吹奏楽部の生徒たち。皆の目標は同じ、向いている方向は同じ。厳しい暑さの中でも皆でしっかりと練習を積み重ね、「大会に向けて」必死に頑張る生徒たちの様子が目に浮かびます。良い結果につながるよう祈るばかりです。
【NO.16】
『 夏の暮れ 吹奏楽の チューニング 』
季語:夏の暮れ(夏)
汗がふき出すような厳しい暑さの日中から、少し気温が和らぎ過ごしやすくなる時間帯。吹奏楽部の生徒たちがチューニング(音合わせ)をしている様子を詠んでいます。夏休み中の練習でしょうか。夕暮れの時間まで一生懸命練習を重ねる生徒たちの姿が想像できます。
【NO.17】
『 吹奏楽 野外に出でて 風光る 』
季語:風光る(春)
「風光る」とは、春になり日の光が少しずつ強くなり、春風がきらきらと光り輝くように感じられることをいいます。野外での吹奏楽部の演奏会でしょうか。普段、室内での練習が多い吹奏楽部にとって野外での演奏は、季節を感じられとても心地良いものなのではないでしょうか。
【NO.18】
『 新学期 思いもよらぬ 新楽器 』
季語:新学期(春)
新学期になり、吹奏楽部内での担当の振り分けがあったのでしょう。個々の希望を聞いて、という形にはなると思いますがやはり同じパートにたくさんの生徒が集まってしまうこともあるでしょう。やりたいと思う楽器を変更しなければいけない生徒もいると思います。作者はまさに希望とは異なる楽器になったのでしょう。「新学期」と「新楽器」を言葉あそびのようにうまく使い、ユーモアのある一句になっています。
【NO.19】
『 楽団の チューバに映る 大緑蔭 』
季語:緑蔭(なし)
「緑蔭」とは、初夏の青葉が茂った木々のかげ(こかげ)のことをいいます。野外での演奏会に参加している吹奏楽部。チューバに大きな木が映りこんでいたのでしょう。とても良く晴れた気持ちの良いお天気で、野外での演奏会ならではの光景ですね。
【NO.20】
『 重なる音 夕日が映える 音楽室 』
季語:なし
吹奏楽は、皆の心が一つになってはじめて音が一つになるのではないでしょうか。「重なる音」という表現がとても美しいですね。吹奏楽部の生徒たちが奏でる音色にぴったりの言葉だと思います。空に広がる美しい夕日と生徒たちが奏でる美しい音色が重なる音楽室の幻想的で素敵な光景が目に浮かびます。
以上、吹奏楽(部活)をテーマにしたおすすめ俳句でした!
さいごに
今回は、吹奏楽(部活)をテーマにした俳句を20句紹介しました。
誰か一人が飛びぬけて演奏が上手くても、それは吹奏楽として成り立ちません。相手を思いやり皆で心をしっかりと合わせることではじめて、音が合い、演奏が成立するのだと思います。
皆さんは「吹奏楽」と聞いてどのようなことを思い浮かべるでしょうか?
思い浮かべたイメージや、ご自身の経験や思い出を俳句にしてみてください。