小学校は1年生から6年生まで、合計で6年間通います。
「6年間の思い出」、皆さんはどのような想いがあるのでしょうか。
卒業に際し小学校生活を振り返った時、6年間を「長い」と感じるか、「短い・あっという間」と感じるか、それぞれ感じ方が違うことでしょう。
6年間あっという間だったなぁ😲 pic.twitter.com/kNzz5hdl7u
— マーサス (@mss_sdbh) March 19, 2019
「思い出」は人それぞれ、きっと個々それぞれの心の中に、大切な想いがあると思います。
今回は、小学校の「6年間の思い出」を題材にした小学生向けのオススメ俳句作品を30句紹介していきます。
目次
小学生向け!卒業式に詠みたくなる6年間の思い出俳句作品【前編10句】
【NO.1】
『 ランドセル 思い出ふかい 宝物 』
季語:ランドセル(春)
小学校といえば、「ランドセル」ですね。きっとたくさんの思い出がつまっていることでしょう。「宝物」という言葉から、作者はランドセルをとても大切に使ってきたことがとてもよく伝わります。
【NO.2】
『 運動会 勝利の帽子 飛び上がる 』
季語:運動会(秋)
運動会で勝利したことがとても嬉しかったのでしょう。6年間の思い出として一番印象深いイベントだったことがとてもよく伝わります。「飛び上がる」のは帽子だけではなく、きっと勝利に大喜びしている作者もでしょう。
【NO.3】
『 五月晴れ 日より明るい 金閣寺 』
季語:五月晴れ(夏)
修学旅行の思い出でしょうか。気持ちよく晴れている中、陽ざしよりも明るく輝く金閣寺はとても印象深かったのかもしれませんね。美しい輝きはいつまでも作者の心に残ることでしょう。
【NO.4】
『 赤とんぼ 組体操の 見守り役 』
季語:赤とんぼ(秋)
運動会の思い出を詠んでいます。赤とんぼが飛ぶ中で行われた組体操。「見守り役」という発想と言葉の選び方がとても素敵な一句です。
【NO.5】
『 お別れは 校舎と教師と ランドセル 』
季語:ランドセル(春)
小学校を卒業するにあたり、お別れがたくさんあることの悲しさや寂しさがとてもよく伝わる一句です。6年間お世話になり、全て大切なものであるという作者の想いが真っすぐに込められています。
【NO.6】
『 雪降った その時クラスが 大さわぎ 』
季語:雪(冬)
冬の時期、たくさんの雪が降ってクラス中が大さわぎになったことがとてもよく伝わります。嬉しくて、楽しくて、クラス皆が笑顔だった日のことが忘れられない思い出なのでしょう。
【NO.7】
『 運動会 親に向かって ポーズする 』
季語:運動会(秋)
運動会での様子を詠んだ一句です。6年生最後の運動会なのでしょうか。バッチリ格好よくきまったのかもしれませんね。「ポーズする」作者の可愛らしい姿が目に浮かびます。
【NO.8】
『 眠り猫 雷鳴っても 眠ってた 』
季語:雷(夏)
修学旅行で眠り猫を見たことを詠んでいます。「雷が鳴っても」という、とても天候が悪い状況もまた印象深いのかもしれませんね。どんなことが起ころうとも眠り続ける「眠り猫」の姿は作者の中で一番の思い出だったのでしょう。
【NO.9】
『 忘れない 汗と涙の 運動会 』
季語:運動会(秋)
運動会でとても頑張ったのでしょう。「汗と涙」という言葉から、作者が一生懸命やりきったということが想像できます。悔し涙なのか、嬉し涙なのか。作者にとって忘れられない涙であることが伝わります。
【NO.10】
『 桜咲く みんなとの日々も お別れだ 』
季語:桜(春)
桜の開花はお別れの合図なのかもしれませんね。桜が咲くことは嬉しいことだけれども、お別れは悲しいという作者の想いが伝わる一句です。「みんなとの日々」という言葉から、お友だちと過ごした時間の大切さを感じます。
小学生向け!卒業式に詠みたくなる6年間の思い出俳句作品【中編10句】
【NO.11】
『 六年分 思い出つまった ランドセル
季語:ランドセル(春)
一年生から六年生まで、ずっと背負い続けたランドセル。溢れるくらいたくさんの思い出がつまっていることでしょう。作者がランドセルを大切につかっていたことがとてもよく伝わります。きっと、ランドセルを見るたびに、小学校でのさまざまな事を思い出すことでしょう。
【NO.12】
『 大仏様 五月雨じっと 見つめてる 』
季語:五月雨(夏)
修学旅行や遠足の思い出でしょうか。大仏様を見に行ったことが作者にとってとても良い思い出だったのでしょう。雨の中、じっと微動だにしない大仏様の姿は印象深かったのかもしれませんね。
【NO.13】
『 ランドセル 六年間も ありがとう 』
季語:ランドセル(春)
6年間、いつも一緒だったランドセルへの感謝の気持ちを詠んでいます。「ありがとう」という作者の想いがそのまま表現されています。感謝の気持ちがとてもよく伝わる気持ちの良い一句です。
【NO.14】
『 リコーダー セミと一緒に 演奏会 』
季語:セミ(夏)
夏の時期に行われた演奏会なのでしょうか。リコーダーの音とセミの声。二重奏のような感覚が作者の心に残っているのかもしれませんね。なかなかない経験だと思いますので、楽しい思い出ですね。
【NO.15】
『 たくさんの 思い出胸に 卒業す 』
季語:卒業(春)
小学校の卒業にあたり、自分の想いを詠んだ一句です。「たくさん」ある思い出。とても素敵なことですね。大切な思い出を心の中にきちんとしまって、卒業の日を迎える作者の姿が想像できます。
【NO.16】
『 運動会 カメラかた手に 母走る 』
季語:運動会(秋)
運動会でのお母様の様子を詠んでいます。一生懸命、写真や動画を撮ってくれていたのでしょうね。お母様の姿は作者にとって、とても嬉しくて幸せだったということがとてもよく伝わります。お母様の深い愛情が伝わる一句です。
【NO.17】
『 眠り猫 五月雨の中 見つけたよ 』
季語:五月雨(夏)
眠り猫を見に行った時の思い出でしょうか。雨という悪天候もまた、作者の心に深く刻まれているのかもしれませんね。「見つけたよ」という作者のそのままの想いがとても可愛らしい一句です。
【NO.18】
『 卒業す みんなのことは 忘れない 』
季語:卒業(春)
卒業するにあたって、「みんなのこと」が作者にとってとても大切な存在なのだということがとてもよく伝わる一句です。大切な友とのたくさんの良い思い出があることでしょう。作者の心の中にはいつも「みんな」がいてくれるのでしょうね。
【NO.19】
『 ぼくたちと 共に卒業 ランドセル 』
季語:ランドセル(春)
6年間一緒に通学したランドセルとのお別れを表現しています。「共に卒業」という言葉の選び方がとても良いです。入学してから毎日毎日どんな時も一緒に小学校に通ったランドセルともお別れ、という作者の寂しい気持ちがとてもよく伝わる一句です。
【NO.20】
『 六年目 これが最後の 桜の木 』
季語:桜(春)
小学校に桜の木があるのでしょうか。1年生の入学式から、毎年見てきた美しく咲き誇る桜の木とも「これが最後」という作者の悲しさや寂しさがとてもよく表現されています。「六年目」という表現がとても良い一句です。
小学生向け!卒業式に詠みたくなる6年間の思い出俳句作品【後編10句】
【NO.21】
『 春眠し 暗記の授業 忘れては 』
季語:春眠し(春)
思わず眠くなる陽気でうたた寝してしまったのでしょうか、暗記しなければならない授業で内容を忘れてしまったようです。もしかするとこの後に小テストがあるのかもしれないと考えると、どうしようかな…と少し眠気の残る頭で考えている作者が浮かんできます。
【NO.22】
『 法師蝉 午後の授業は うわの空 』
季語:法師蝉(秋)
ツクツクボウシが鳴いている午後の授業はどこか上の空になってしまうと詠んだ句です。早く帰りたいのか、ツクツクボウシの鳴くところで遊びたいのか、初秋の気もそぞろな雰囲気がよく出ています。
【NO.23】
『 惜秋(せきしゅう)や 最後のバトン 継ぐ右手 』
季語:惜秋(秋)
秋が終わっていくのを惜しむように、最後の走者の右手にバトンを渡した様子を詠んだ句です。最終学年であればまさに「運動会での最後のバトンパス」であり、終わっていく学生生活を惜しむ心が秋の終わりに込められています。
【NO.24】
『 担任が 勝負ジャージの 運動会 』
季語:運動会(秋)
担任の先生たちが、いつもは見ないジャージ姿になって応援している運動会の様子を詠んだ句です。「勝負ジャージ」と書いてあるので、体育の授業の時とも違う格好なのでしょう。教職員対抗のリレーなどがある学校なのかもしれませんね。
【NO.25】
『 運動会 ランチタイムの 静けさよ 』
季語:運動会(秋)
運動会のランチタイムが静かになっている様子を詠んだ句です。競技中は常に音楽が鳴り、放送席の声や声援が鳴り響いていたグラウンドが、昼食の時間だけ静かになっています。実際には話す声などが聞こえているのでしょうが、競技中と比べるとやはり「静けさ」と呼べるほどなのでしょう。
【NO.26】
『 春休み 宿題たるは ナッシング 』
季語:春休み(春)
春休みは担任が変わるため、宿題がないことに喜んでいる様子が「ナッシング」という言い方から伝わってきます。短い冬休みですら宿題が出ることを考えると、子供たちにとっては唯一宿題のない長期休暇ということで大喜びなのかもしれませんね。
【NO.27】
『 校門は 閉ざされ冬休み 来る 』
季語:冬休み(冬)
夏休みは校庭で遊べるように校門が開いている学校もあるでしょうが、お正月を迎える冬休みでは閉められることが多いです。校門が閉ざされているのを見て冬休み中なんだなと実感している様子が伺えます。
【NO.28】
『 卒業式 初めて校歌 かみしめる 』
季語:卒業式(春)
卒業式で歌ったときに初めて校歌をかみしめるように歌った、という一句です。校歌を歌う機会はかなりあったでしょう。しかし、これでもう歌わなくなると感じたからか、特別な歌のように感じています。
【NO.29】
『 六年生 卒業歌の 練習をする 』
季語:卒業歌(春)
六年生が卒業式で歌う歌の練習をしています。「卒業式の練習」をした記憶のある人も多いでしょう。また、音楽の授業が卒業式の歌になった人もいると思います。卒業式に向けて着々と準備が進んでいく様子を詠んだ一句です。
【NO.30】
『 ポンと鳴る 卒業証書の 春の音 』
季語:卒業証書(春)
卒業証書を入れる筒は、開けるとポンと音がします。その音を春特有の音だと楽しんでいる様子を詠んだ一句です。友人たちとポンポン音を出して遊んでいる様子が浮かんできます。別の学校に進学する子もいると考えると、最後のじゃれ合いなのかもしれません。
以上、卒業式に詠みたくなる6年間の思い出俳句作品集でした!
さいごに
小学校の卒業に際し、最近は「卒業俳句集」を作成する学校を多いです。
6年間のさまざまな思い出の中から自分の心に残るものを一つ選び、それを17文字で表現する…。
簡単には進まない、とても難しい作業だと思いますが、個々の想いが凝縮された素敵な俳句を頑張って詠んでみましょう。
皆さんも是非、「小学校6年間の思い出」を5・7・5の17文字にこめてみてください。