学校等の部活動としての「水泳部」は「競泳」がメインの学校が多いです。
競泳は、定められた距離を泳ぎきる時間を競うもの。個人種目として、自由形・平泳ぎ・背泳ぎ・バタフライの4泳法と、これを個人で順に行う個人メドレーがあります。また、団体種目としてのリレーもあります。
皆さんは、「水泳部の思い出」どのようなことを思い浮かべますか?
今回は、「水泳(部活)」をテーマに学生が詠んだ俳句を20句紹介します。
夏終わり
黒焦げだらけの
水泳部 / 俳句お題青春 https://t.co/rfeZI4wWBl— りーち (@NWuJ3mbiYYrZAJe) April 26, 2017
号令にがばりがばりと水泳帽 #jhaiku #俳句 #haiku #kasyokeihaiku #fhaiku
— かしょけい (@kasyokei) July 3, 2013
水泳部
夏になったら
逆パンダ
課題の俳句これでよし!— Zhōngcūndàhé (@needle_31) August 19, 2014
水泳(部活)に関する学生向け俳句ネタ例集【前半10句】
【NO.1】
『 背泳で 夏の日ざしと にらめっこ 』
季語:背泳(夏)
背泳ぎの練習中の作者。仰向けの体勢で空を見ながら泳ぐ、その状態を「日ざしと にらめっこ」というフレーズでとても上手に表現しています。日ざしがじりじりと照り付ける中での厳しい練習であることがとても伝わります。
【NO.2】
『 ホイッスル 瞬時プールの 水緊まる 』
季語:プール(夏)
「緊まる」は「しまる」と読みます。ゆるみやあきがなく、固くしめられている状態のことをいいます。水泳部で試合に参加している作者。スタート位置についてホイッスルを待ちます。ホイッスルがなった瞬間、生徒たちの緊張も重なり、水が「緊まる」状態になっているように感じたのでしょう。試合での凄まじい緊張感を感じる一句です。
【NO.3】
『 水中で 流した涙 夏終わる 』
季語:夏(夏)
水泳部での試合で悔しい思いをしたのでしょう。水中であれば涙を見られることはありません。思いっきり涙を流すことができます。「夏 終わる」という言葉から、作者は最終学年で引退の時期だったのでしょう。後輩部員たちに涙を見られたくない、先輩としての意地とプライドを感じます。
【NO.4】
『 水泳部 引退したら 皆太る 』
季語:水泳(夏)
水泳での運動量は、水の抵抗等もあり陸上で運動したときの1.5倍といわれています。毎日の練習でかなりの量のエネルギーを消費していることでしょう。引退してそのエネルギー消費がなくなってしまうと体重も増えてしまいますよね。「水泳部あるある」という感じの一句です。
【NO.5】
『 華麗なる キック一蹴り バタフライ 』
季語:バタフライ(夏)
水泳の中では初心者にとって一番難しいともいえるバタフライ。バタフライを泳ぐことができたらとてもかっこいいですよね。バタフライではキックがとても重要です。スタートのキックはそのあとにつながる重要なキック。「一蹴り」がとても大切です。華麗なキック、是非見てみたいですね。
【NO.6】
『 悔しいぞ 頭ひとつの 差で負けて 』
季語:なし
水泳部での試合での様子を詠んでいます。「頭ひとつの 差で負けて」しまった作者。頭ひとつはとても悔しいですよね。悔しくて悔しくてたまらない気持ちが真っすぐに表現されています。この悔しさはきっと次につながることでしょう。
【NO.7】
『 飛び込みて 雲とひとつに なるプール 』
季語:プール(夏)
夏の青空と白い雲がプールの水面に映っているのでしょう。そこに飛び込んだ瞬間、「雲とひとつに」なった作者。言葉の選び方や表現がとても素敵で光景が想像できます。
【NO.8】
『 息継ぎを するとき聞こえた 大声援 』
季語:なし
水泳部での試合の様子を詠んでいます。作者がとても緊張していることが伝わります。一生懸命泳ぎ、息継ぎをするときに聞こえた「大声援」。無音の水中からパッと顔をあげた瞬間に響く声援はとても大きな力になったのではないでしょうか。
【NO.9】
『 真っ先に プールをあがる 敗者かな 』
季語:プール(夏)
試合に負けてしまった生徒は一番先にプールからあがることになります。悔しさや悲しさ、さまざまな感情を胸に抱きながらプールから一番にあがることはとても辛いことでしょう。この悔しさを次につなげてほしいなと思います。
【NO.10】
『 夏の空 最後のタッチ 手をのばす 』
季語:夏の空(夏)
夏の時期の水泳部の試合。きれいに晴れ渡る青空の中での試合なのでしょう。最後のタッチ、この一瞬が明暗を分けます。最後の力を振り絞って一生懸命手をのばした作者。俳句の中では勝敗は分かりませんが、笑顔のゴールになったのではないでしょうか。
水泳(部活)に関する学生向け俳句ネタ例集【後半10句】
【NO.11】
『 遠泳し 三キロ泳ぐ 夏の海 』
季語:夏の海(夏)
夏休み中の練習・トレーニングとして遠泳に参加した作者。どこまでも続く広い海を3キロ泳ぐことは簡単なことでありません。この努力はきっと良い結果に結びつくのではないでしょうか。
【NO.12】
『 三着の 涙をかくす 水しぶき 』
季語:なし
水泳部の試合で3着だった作者。悔しくて悔しくてたまらない、作者の想いが真っすぐに伝わります。泣いている姿を見られたくない、涙を見せないようにプールの水で隠す。作者の想いが伝わり、悲しくて辛くて心が痛いです。
【NO.13】
『 バタフライ 輝いている 水しぶき 』
季語:バタフライ(夏)
バタフライはとても難しい泳法だと思います。バタフライを泳ぐ姿、とてもかっこいいですよね。大きく水をかいて前に進んでいくバタフライ。たくさんあがる水しぶきが太陽に照らされてキラキラと輝いてみえたのでしょう。
【NO.14】
『 帰りたい 僕ひとりだけ 予選落ち 』
季語:なし
「帰りたい」…シンプルな言葉で作者の辛い気持ちがとても上手に表現されています。部活の中で一人だけ予選落ちしてしまった作者。そして自分だけプールからあがり応援する側にまわる、とても辛くて悲しいことですよね。この気持ちを力にして「次こそは!」の気持ちでがんばってほしいなと思います。
【NO.15】
『 夏過ぎて まだまだ消えぬ 水着跡 』
季語:水着(夏)
水泳部の夏は一番プールで練習する時期なのではないでしょうか。学校によっては午前午後、毎日にように練習がある場合もあるようです。夏の日ざしの中で屋外のプールでずっと練習しているわけですからきっと日焼けがすごいと思います。くっきりと水着の跡がついてしまっているのではないでしょうか。
【NO.16】
『 レース前 なぜだか指が 震えてる 』
季語:なし
水泳部の試合前。やはり緊張しますよね。「指が 震えてる」と少し冷静な感じで自分自身の状況をみている作者。このような緊張を何度も経験し、乗り越えていくことでどんどん成長していくのでしょうね。
【NO.17】
『 ライバルが いるから出せる 良いタイム 』
季語:なし
自分一人だけでは出せないタイム。「あの人には負けたくない」という気持ちを抱くライバルがいるからこそ、もっと頑張るぞ!もっともっと良いタイムが出せるぞ!という気持ちになるのでしょう。素敵なライバルが部内にいることはとても良いですね。
【NO.18】
『 好きだから 辛い練習 耐え抜ける 』
季語:なし
水泳部の練習はとても過酷な練習だと思います。水中での抵抗もあり、陸上での運動よりも消耗が激しくエネルギーを消費するといわれています。辛くてやめたい…と思うようなこともあるでしょう。でもやはり水泳が「好きだから」。この思いが全てだと思います。好きだから「耐え抜ける」。作者の真っすぐな想いがこめられた言葉、とてもかっこいいです。
【NO.19】
『 合宿が 終わって皆 メガネザル 』
季語:なし
夏休み期間中の合宿ではいつも以上に泳ぐ時間が長かったのではないでしょうか。夏の強い日差しの中、いろいろと対策はしていると思いますが、それでもやはりすごく日焼けしてしまうと思います。練習中、ゴーグルをしているので目の周りが「メガネザル」のようになってしまったのでしょう。ユーモアのある言葉でとても上手に表現しています。
【NO.20】
『 飛び込みが やっとできた 夏の雲 』
季語:夏の雲(夏)
飛び込みをずっと練習していたのでしょう。「やっと」という言葉から、作者の大きな喜びを感じます。夏の間ずっと、もしくはもっと前から一生懸命練習していた作者の笑顔があふれている姿が目に浮かびます。
以上、水泳(部活)に関する学生向け俳句ネタ例集でした!
今回は、水泳(部活)に関する俳句を20句紹介しました。
一日中泳ぎ続けるような練習や過酷なトレーニング等…、水泳部の思い出がたくさんあるのではないでしょうか?
ぜひ、水泳を5・7・5の俳句で表現してみてください。